理想の家づくりを実現するためには、どこに頼むべきか悩む方もいるだろう。ハウスメーカーと工務店、それぞれの違いを理解しているだろうか?どちらが良いか迷う方のために、特徴や選び方のポイントを分かりやすく解説する。
建築会社の選び方で、住み心地や満足度は大きく変わるだろう。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、ぜひ参考にしてほしい。あなたにぴったりのパートナーを見つけ、理想のマイホームを実現しよう。
目次
ハウスメーカーか工務店か?家づくりでは「建築会社選び」が困ったことの第1位
マイホームを建ててくれる建築会社選びは、多くの人が迷ったり、悩んだりするといわれている。実際、3年以内に注文住宅を購入した人への調査結果を見ても、家づくりの検討初期段階に困ったこととして「どの施工会社に依頼したらよいかわからない(ハウスメーカー、工務店など)」が36.3%と最も多い結果に。ほかにも、「施工会社の情報が多くて選べない」20.3%「自分に合う施工会社がわからない」19%、と、建築会社選びに困ったと感じていた人は多いようだ。
ハウスメーカーと工務店の違いって何?
視点1:会社の規模・施工エリア
ハウスメーカーは、全国や広いエリアに支社・支店などの営業拠点を持ち、施工範囲も広い会社が多い。工務店は、小規模な会社が多く、営業・施工エリアは県内のみや近隣の県までなど地域密着が主流。
視点2:設計の自由度
ハウスメーカーが建てる家は、自由に間取りを決められる「自由設計型」と、いくつかのパターンから間取りや設備を選ぶ「企画型」がある。ハウスメーカーは住宅展示場を複数展開し、間取りやデザインテイスト、工法・構造、住宅性能などを分かりやすく展示することで、自社の家づくりを紹介している。一方、工務店は基本的に「企画型」の用意はなく、「自由設計型」で家を建てるケースが多い。
視点3:工期
工法や住宅の規模などにもよるが、延床面積35坪程度の工期は、ハウスメーカーの企画型なら約3.5カ月、工務店の自由設計型なら約4~4.5カ月が目安。ハウスメーカーの「企画型」は建築資材や工事工程がシステム化されているため、工務店より工期が短くなる。
視点4:アフターサービス
ハウスメーカーと工務店には、それぞれアフターサービスに特徴がある。
ハウスメーカーは長期保証を強みとし、長期保証期間を設けていることが多いが、工務店は、地域密着型ならではの迅速な対応が魅力だ。トラブル発生時、すぐに駆けつけてくれるなど、小回りのきく対応が期待できるだろう。
住宅の基本構造や雨漏りに関する保証は、品確法で義務付けられており、ハウスメーカー、工務店どちらを選んでも必ず付く。設備保証はメーカーが担うため、両者に大きな差はないといえるだろう。
視点5:住宅性能
ハウスメーカーと工務店のどちらが建てる住宅も、建築基準法に基づく住宅性能は満たしており、最低限の品質は保証されている。
耐震等級や断熱性、耐久性などの性能はハウスメーカー、工務店という違いよりも、企業ごとの特色が強く出る部分だ。各社が独自の強みを持つため、性能差が生まれる。
従って、住宅に求める性能を明確にし、各社の特徴を比較検討することが、会社選びの重要な判断基準となるだろう。何を重視するかで、最適な依頼先を検討しよう。
※工務店とハウスメーカーの違いについてもっと詳しく→
ハウスメーカーと工務店の違いを知った上での選び方
家は、多くの方にとって一生に一度の大きな買い物であり、ハウスメーカーと工務店のどちらに依頼するかで、将来の暮らしが大きく変わってくる。それぞれの特徴をしっかりと理解した上で、自身の希望やライフスタイル、価値観に合ったパートナーを選ぶことが、後悔しない家づくりへの第一歩となるだろう。
ハウスメーカーがオススメのケース
全国的に知名度の高いハウスメーカーは、モデルハウスを各地に展開し、家づくりに不慣れな方でも安心して任せられる体制が整っている。住宅の品質が均一で、保証やアフターサービスが充実している点も、多くの人に選ばれる理由の1つだ。
ブランドや安心感を重視したい
長年の実績と高い知名度を誇る大手ハウスメーカーは、初めて家を建てる方にとって、安心感の大きい選択肢となる。一定の水準以上に保たれた品質やサービスは、入居後の暮らしを快適にサポートしてくれるだろう。
また、企業としての規模が大きく、経営基盤が安定しているため、建てた後も長期にわたる手厚いサポートが期待できる。家は建てて終わりではなく、何十年と住み続けるもの。将来を見据え、信頼できる会社を選ぶことは、重要なポイントだ。
アフターサービスは充実している方がいい
家を建てた後も、定期的な点検やメンテナンスは必要不可欠であり、快適な暮らしを維持するためには避けて通れない道だ。ハウスメーカーは、一般的にアフターサービスが充実しており、何かトラブルがあった場合でも迅速に対応してくれる体制が整っている。
保証内容も細かく規定されている場合が多く、長く安心して住み続けられるよう、さまざまなサポートが用意されている。保証期間や内容を事前にしっかりと確認しておくことで、より安心して暮らせるだろう。
効率的に家づくりがしたい
自社で職人や協力会社を多く抱え、工事の流れがシステム化されているハウスメーカーは、工期が比較的短く、予定通りに家づくりが進みやすいというメリットがある。例えば、転勤や子どもの入学など、新生活のスタートに合わせて家を建てたいと考えている家族には、特にオススメの選択肢だ。
新しい家での暮らしをスムーズに始められるよう、しっかりと計画を立て、効率的に工事を進めてくれる。引き渡しまでの期間が短いことは、仮住まいの費用を抑えることにもつながるだろう。
工務店がオススメのケース
地域密着で家づくりを行う工務店は、自由な設計で、とことんこだわった家づくりをしたい方にオススメの選択肢だ。設計の自由度が高く、間取りやデザイン、素材など、細部にわたるまで、自分の希望を反映しやすい点が大きな魅力といえるだろう。
自由度の高さを求めている
「こんな家に住みたい」という明確なイメージや、強いこだわりを持っている方には、工務店がオススメだ。工務店には、ハウスメーカーのようにあらかじめ用意されたプランがないため、間取りやデザイン、使用する素材など、一つひとつを自由に決めていくことができる。
例えば、自然素材をふんだんに使った木のぬくもりを感じる家にしたい、吹き抜けのある開放的なリビング空間を実現したいなど、細かな要望にも柔軟に対応してくれることも。家族構成やライフスタイル、趣味などを考慮し、最も暮らしやすい、世界に1つだけの家を一緒に考えてくれるだろう。
地元密着型の建築会社に依頼したい
地域に根ざして長年活動している工務店は、何か困ったことがあったときにすぐに駆けつけてくれる、頼りになる心強い存在だ。地元の評判を大切にしながら経営を続けているため、親身になって相談に乗ってくれる場合が多い。
家を建てた後も、リフォームや増築、ちょっとした修繕など、気軽に相談しやすいのも、地域密着型の工務店ならではの魅力といえる。長年にわたって住み続ける大切な家だからこそ、地元の信頼できるパートナーを選ぶことは、日々の安心感にもつながるだろう。
コストパフォーマンスを重視したい
同じような仕様の家を建てる場合でも、工務店の方が費用を抑えられるケースがある。これは、大々的な広告宣伝費や、モデルハウスの維持費といった間接的なコストが、ハウスメーカーに比べて少ないためだ。ただし、安さだけを重視するのであれば、ハウスメーカーのローコスト住宅と比較検討してみるのも1つの方法である。
予算と家のこだわりや性能とのバランスを考慮しながら、納得のいく選択をすることが大切だ。それぞれの会社の得意分野を理解し、総合的に判断しよう。
ハウスメーカー・工務店の選び方を先輩たちの実例から学ぶ
ハウスメーカーと工務店の違いを理解しても、数多ある建築会社の中から1社を選ぶのはとても大変。そんなときは、アドバイザーが客観的な立場から要望に合う建築会社を紹介してくれる「スーモカウンター」のようなサービスを活用するのも一つの方法だ。
スーモカウンターのアドバイザーは、ハウスメーカー・工務店を問わず、建築会社それぞれに異なる特徴を熟知している。そこで、アドバイザーに相談することで、複数社の中から納得して1社に決めたKさんの実例を紹介しよう。
【Case1】3社を見比べて見つけた理想の地元の建築会社
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長男の小学校入学にあわせて、千葉県松戸市に引越してきたKさん夫妻。一軒家を借りて住み始めたが家賃が高く、更新時までには自分の家を持とうと計画。中古戸建てや建売住宅などを見学したがピンとくる物件がなく、注文住宅を建てることにした。
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ネットで土地を探す一方で、住み始めたばかりのエリアで街に詳しくないため、建築会社選びについて悩んでいた。仕事先の同僚から「スーモカウンターは地元の建設会社を無料で教えてくれる」と聞き、とりあえず訪問した。
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スーモカウンターのアドバイザーに「北国育ちなので冬でも暖かい家が欲しい」という希望を伝えたところ、建築会社の特徴や強みが記載された“会社ファイル”を10冊近く提示。ファイルの中から予算、断熱性、耐震性、間取りの自由度など、Kさんの希望する条件を満たす会社を7、8社紹介され、そこから3社に絞り込んだ。
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Kさんは最初に会った1社が気に入り、そこに決めたいとアドバイザーに言うと「3社すべてから話を聞いてからにしましょう」という返事。3社と会ったことで十分に比較検討して決められたので、結果的に良かったと考えているそうだ。
【Case2】デザインも暮らしやすさも大切に!理想の工務店にたどり着くまでの道のり
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次男の妊娠がわかり、具体的に家づくりを考え始めたIさん。近くの住宅展示場に行ったが、価格が予算よりかなり高めの会社が多い印象だった。そこで、予算に柔軟に対応してくれる工務店をと考えたが、情報が少なかったためにスーモカウンターに行った。
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スーモカウンターでは、自分たちが建てたい家について相談。予算を伝えたうえで紹介されたのが、ハウスメーカーや工務店を中心とした5社だった。
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しかし、紹介された会社を毎週のように訪問したが、気に入った会社には出合えなかった。それは、カウンターで予算のことをかなり話したので、紹介された会社の多くがローコスト系の会社だったため。自分たちにはデザインや暮らしやすさも大事だと再認識し、予算の優先順位を下げ、「木の香りのする家」「外観は個性を出しつつオシャレに」などの条件で改めて会社の紹介を受けた。
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改めて紹介された会社の展示場を訪れると、雰囲気がとてもよく、Iさんたちの好みにぴったり。土地の相談をしたところ、条件に合う土地を探してくれたこともあり、すんなりとこの会社に決めることができた。
【Case3】予算オーバーの会社に決めかけたがプロの冷静なアドバイスで無理なく希望通りの家を建築
共働きで多忙なMさん夫妻は、家賃を支払うのがもったいないと感じ、注文住宅の検討を始めたという。モデルハウスを見学するも、知識不足を痛感し、スーモカウンターに相談。耐震性や断熱性などの希望を伝えた。5社の紹介を受け、1社ではモデルハウス見学、もう1社では工場見学に参加し、耐震性能などを確認した。
工場見学後、その性能に惹かれ2社目に決めようとスーモカウンターに連絡を入れたが、アドバイザーから「もう一度、住宅展示場ではない場所で最初の1社の担当者からも話を聞いてみては」と提案された。工場見学で気持ちが高揚していたかもしれないと振り返るMさん夫妻は、アドバイザーの提案を受け入れ、冷静になるためにもう一度1社目の担当者と会うことに。
すると、予算内で自分たちの希望を汲んだプランを再度提案してくれ、デザインや担当者との相性も良かったことから、最終的に1社目に決定した。
夏は涼しく、冬は暖かい家を希望し、耐震性も重視したMさん夫妻。風通しと採光に優れたコの字型の間取りや、擦りガラスの窓、基礎内断熱などを採用した。将来の子どもの遊び場となるインナーテラスや、人が集まるLDKなど、理想の間取りもかなえている。
この実例をもっと詳しく→
忙しい共働きだけれど、慎重に会社選びを進めることができた!
【Case4】遠隔地からでも見つかる!リモートで打ち合わせができる建築会社
転勤が多く、マイホームを建てて落ち着きたいと考えていたFさん夫妻。地元・岡山県に戻ることが決まったものの、転勤先の千葉県からリモートで対応してくれる建築会社探しは難航していた。スーモカウンターに相談したところ、希望に合う会社を複数紹介してくれ、比較検討の末、自由設計で土地探しも得意な会社に依頼を決定した。
家族で楽しめる屋上のある家を希望したFさん夫妻。周囲の視線を気にせず、プール遊びやバーベキュー、「おうちビアガーデン」などを満喫できるプライベート空間を実現した。室内は、吹き抜けリビングや回遊動線、ランドリールームなど、開放感と「家事ラク」を両立。ZEH、長期優良住宅認定も取得し、住宅性能にもこだわった。
この実例をもっと詳しく→
遠隔地とリモートで打ち合わせ、家族で楽しむ屋上のある家を実現
【Case5】5社比較した上で自分たちに合った建築会社を決定
京都への通勤に便利な「駅近」の土地を希望していたMさん家族。土地探しに悩んでいたところ、職場の同僚からスーモカウンターを紹介され、相談した。自社で土地を持つ建築会社を複数紹介してもらい、土地条件と間取り提案を比較検討。最終的には、より良い土地条件の会社に依頼を決め、理想の住まいを実現した。
リビング階段を避け、水回りの回遊動線や各所の収納など、間取りの希望を実現。家を建てた同僚のリアルな声も参考に、断熱性能やメンテナンス性など、住んでから分かる細部にもこだわったという。スーモカウンターのアドバイスや、建築会社との複数回のプラン調整を経て、納得のいく家づくりができた。
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通勤しやすい駅近の土地でこだわりの住まいを実現
【Case6】スーモカウンターで出合った工務店で納得の家づくり
二世帯住宅から引っ越し、注文住宅を検討し始めたIさん家族。資金面の不安と、以前の家で使っていたキッチンの移設という2つの悩みを抱え、スーモカウンターに相談した。1週間以内に条件に合う2社を紹介してもらい、再面談で期待以上のプランを提案してくれた1社に決定。熱意ある対応も決め手となった。
「物を隠してスッキリと暮らしたい」という共通の思いから、収納を充実。玄関からすぐのファミリークローゼットや、キッチン背面の造作家具などで、生活感を隠せる工夫を凝らしたという。ペニンシュラ型だったキッチンは、アイランド型に変更し、お気に入りの水栓やレンジフードもそのまま移設。理想の住まいを手に入れた。
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キッチンと吹抜けが主役の間取り。臨機応変に対応してくれる会社に出会えた
【Case7】耐震等級3+ZEH基準の長期優良住宅!安心と快適を両立した鉄骨の家
第二子の妊娠を機に、家づくりを考え始めたOさん夫妻。家づくりの知識がなかったため、友人に勧められたスーモカウンターに相談した。希望エリアの土地相場や予算、住宅ローンについてアドバイスを受け、耐震性の高い鉄骨メーカー3社に絞り、面談。最終的に、太陽光発電や蓄電池などが標準仕様で、ランニングコストを抑えられる会社に依頼を決定した。
もしものときの安心を重視し、耐震等級3の性能と、太陽光発電、蓄電池などの設備にこだわったOさん夫妻。ホテルのようなデザインを希望し、白・黒・グレーを基調とした空間に、大理石調の床やガラスコーティングなど、素材にもこだわったという。将来のライフスタイルの変化にも対応できるよう、スライドウォールを採用するなど、間取りも工夫した。
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オール電化+太陽光発電+蓄電池、耐震等級3の災害に強い家。ZEH基準の長期優良住宅
ハウスメーカーか工務店か迷ったらスーモカウンターに相談しよう
ハウスメーカーと工務店、どちらを選ぶかは、家づくりにおける価値観によって異なる。安心感や効率性を重視するならハウスメーカー、自由度や地域密着を重視するなら工務店がオススメだ。それぞれの特徴を理解し、比較検討することで、自分に合ったパートナーが見つかるだろう。
迷ったときは、スーモカウンターのような専門機関に相談するのも1つの方法である。家づくりは一生に一度の大きなイベント。後悔のない選択をし、理想の住まいを実現することが大切だ。
ハウスメーカーと工務店の違いを知ることは、会社選びの1つの目安にはなる。その上で、会社ごとに異なる特徴や強みを知ることが、自分たちに合う会社を選ぶためにはとても重要といえる。そのためにも、まずは“自分が建てたい家”の希望を整理し、それを実現できるような特徴をもつ建築会社を選ぼう。
<調査概要>
「注文住宅3年以内建築者調査」(リクルート調べ)
・調査協力:楽天インサイト
・調査実施:2022年8月
・調査方法:インターネット調査
・対象者:3年以内に注文住宅を建築した25歳~44歳の全国の男女
・有効回答数: 400名(うち、男性191名・女性209名)
取材・執筆/山南アオ、SUUMO編集部