住宅金融支援機構の「2023年度【フラット35】利用者調査」によると、注文住宅の全国平均面積は約36.2坪です。20坪・25坪の土地は全国平均よりも小さいため、限られた空間を有効に活用しながら、採光やプライバシーにも配慮したプランニングが求められます。
そこで今回は、シグマ建設の小野猛さんと伊藤朋実さん、充総合計画一級建築士事務所の杉浦充さんのお話をもとに、20坪・25坪の土地に適した間取りのアイデアを紹介します。さらに、こうしたコンパクトな土地に家を建てるメリット・デメリットや費用相場、実例も取り上げているので、ぜひ家づくりの参考にしてください。
- 20坪・25坪の土地にはどんな家が建てられる?土地選びのポイントは?
- 20坪・25坪の土地に家を建てる際の費用相場
- 20坪・25坪の土地に住宅を建てるメリット・デメリット
- 20坪・25坪の土地におしゃれな家をつくる にはどうしたらいい?
- 20坪・25坪の土地にオススメの間取り
- 20坪・25坪にどんな家を建てた? 先輩たちの実例紹介
- 【case1】約18.5坪|夫妻が本当に欲しい機能をギュッと詰め込んだ、夢をかなえる家
- 【case2】約20坪|階ごとにテイストを変えた、大人も子どもも居心地の良い家
- 【case3】約26坪|開放感ある吹抜けリビングが明るい印象に
- 【case4】約26.6坪|広々とした2階のバルコニーは子どもの遊び場にも
- 【case5】約24坪|高齢のお母さまのすべての生活が1階のみで完結するよう考えられた家
- 【case6】約26坪|家事動線やインナーテラスなど、子育て世帯の暮らしやすさを実現した家
- 【case7】約27坪|ひとひねりしたアイデアが光る“心がときめく間取り”を実現した家
- 【case8】約27坪|より安心な構造にこだわりながら遊び心溢れる家
- 【編集部が解説】20坪・25坪では平屋・2階建て・3階建てのどれがよい?
- スーモカウンターに相談してみよう
20坪・25坪の土地にはどんな家が建てられる?土地選びのポイントは?
20坪・25坪といっても一般的にはイメージが湧きにくいかもしれません。1坪は約3.3m2の広さなので、20坪・25坪は、平米数に変換するとそれぞれ66m2、82.5m2の広さになります。
※正確には1坪3.30579m2ですが、本記事では3.3m2で計算しています
また、1坪は畳の広さで換算すると約2.04畳にあたるため、20坪・25坪は、畳数で表すと約40畳・50畳の広さになります。
一般的な学校の教室の広さの基準が63m2なので、教室よりも少し大きいくらいの広さと考えると、 イメージしやすいかもしれません。
土地選びのポイントは?
都心の人気の立地に土地を買うとなると、これくらいの広さになることも多いことでしょう。注意しておかなければいけないことは、この広さの土地を購入しても敷地いっぱいに家を建てるわけにはいかないことです。家を建てる土地の多くには「用途地域」という定めがあり、住宅や商業施設、工場などのなかで、建てて良い用途が決められています。
また用途地域ごとに建物の高さや、敷地のなかで建物を建てられる割合などが決まっています。「建蔽率」や「容積率」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? それらは土地の広さに対して建てられる建物の規模を制約する割合を指します。取得する土地の建蔽率や容積率はしっかりと頭に入れておきましょう。
どんな家が建てられる?
20坪・25坪の敷地を最大限活用して建物を建てられると想定すると、ゆとりのある2LDKや少しコンパクトな3LDKといった間取りが多くなるでしょう。家族構成は3~4人くらいのサイズといえそうです。平屋にしてコンパクトに住まうこともできる広さなので、例えば夫妻の2人暮らしなら、老後の住みやすさを考えて、バリアフリーの平屋の家にするのも良いですね。
20坪・25坪の土地に家を建てる際の費用相場
特定の面積の土地に家を建てる際の費用相場は、「延床面積 × 坪単価(1坪あたりの建築費)」 で概算できます。20坪・25坪の土地に家を建てる場合、まずは坪単価を把握することが重要です。
住宅金融支援機構が公表する「2023年度【フラット35】利用者調査」によると、注文住宅の全国平均の坪単価は約107万円です。この数値を参考に、20坪・25坪の土地に家を建てる際の費用相場を算出すると、以下のようになります。
【20坪の土地に延床面積20坪(約66m2)の家を建てる場合】
約107万円×20坪=約2140万円
【20坪の土地に延床面積25坪(約82.5m2)の家を建てる場合】
約107万円×25坪=約2675万円
上記はあくまで概算であり、実際の建築費用は建物の仕様や選ぶ建築会社、立地条件などによって大きく異なります。まずは予算と希望する家の広さを大まかに決め、その範囲内で理想の住まいを実現できる建築会社を探しましょう。
土地と家の費用バランスに注意しよう
土地も併せて購入する場合は、土地と家の費用バランスを意識することが大切です。
立地を優先しすぎて土地代が高くなると、家にかけられる予算が減り、希望する延床面積を確保できない可能性があります。反対に、家のグレードを重視しすぎると、土地にかけられる予算が不足し、希望のエリアでの購入が難しくなることも考えられます。
住宅金融支援機構の「2023年度【フラット35】利用者調査」によると、土地付き注文住宅の土地取得費の全国平均は1坪あたり約23万8000円です。地域別に見ると、以下のような差があります。
地域 | 土地付き注文住宅の土地取得費(平均) |
---|---|
全国 | 約23万8000円/坪 |
首都圏 | 約46万9000円/坪 |
近畿圏 | 約37万6000円/坪 |
東海圏 | 約19万8000円/坪 |
その他の地域 | 約12万円/坪 |
土地取得費はエリアによって異なるため、それを踏まえて予算を考えることが重要です。実際の土地価格は、不動産情報サイトの相場ページでも確認できます。例えば、SUUMO の土地相場ページでは、エリアごとの実勢価格や相場価格を調べることが可能です。
また、土地の購入と併せて注文住宅を検討する場合は、土地と家の費用バランスをしっかりと考えましょう。
土地探しからサポートしてくれるハウスメーカーや工務店に依頼すれば、予算内で理想に近い家を建てるための提案を受けられます。土地と家の費用バランスを見ながら、最適なプランを考えてもらうことで、納得のいく住まいづくりができるでしょう。
ハウスメーカーや工務店に土地探しを依頼するポイントなどについて詳しくはこちら→
土地探しは、工務店やハウスメーカーに依頼できる?依頼時のポイントやメリット・デメリットを解説!
SUUMOの土地相場ページはこちら→
【SUUMO】全国の土地価格相場情報を調べる
20坪・25坪の土地に住宅を建てるメリット・デメリット
20坪・25坪の土地は、2階建てや3階建てにすればファミリーでも住むことができます。この広さの土地に住宅を建てることのメリット・デメリットを考えてみましょう。
メリット
同じエリアの広い土地に比べれば、相対的に土地代が低く抑えられますし、駅近や都市圏など人気の高い土地を取得しやすい点がこの広さの土地に家を建てるメリットです。また建物もコンパクトになる分、建設費用や、毎年自治体から徴収される固定資産税・都市計画税も抑えられるでしょう。
デメリット
一方でデメリットは、都心の建て込んでいる立地の場合、日当たりが悪かったり、道路や隣家に近く、騒音が気になったりする可能性があることです。家を建てる際はこれらのデメリットを軽減するような間取りや建て方になるよう、工夫する必要があるでしょう。
20坪・25坪の土地におしゃれな家をつくる にはどうしたらいい?
20坪・25坪の土地におしゃれな家を建てるための工夫を専門家に聞きました。
「都心で20坪・25坪ぐらいの家だと、家のなかのスペースを確保しようとすると敷地いっぱいに建てることになり採光に工夫が必要です。私は隣家とのバランスをとりつつ、視線を避けられて光や借景を得られる位置に窓を設計しています。
その際注目しているのが近隣の敷地と敷地の境界線がどこにあるか。敷地の境界線から各50cmは建物を建てられない決まりがあるので、境界線のある場所は半永続的に片方50 cmずつ、合計1mの空間が空きます。その空間をうまく使いながら採光を設計すれば、たとえ隣家が建て替えなどをすることがあっても状況が変わり難いのです」(杉浦さん)
部屋の使い方にメリハリをつける
「コンパクトな空間を有効活用するには、階数を増やすことが最善の方法です。ただし土地ごとに容積率が決まっているので、建物の高さには限りがあります。そのなかで3階建てを建てるには各階の使い方にメリハリをつけることが必要です。私が設計する場合は、1階を水回りやビルトインガレージ、玄関などに機能を絞って、2階以上を居室としてゆったりと使うことを提案することが多いですね。その方が採光も得やすいですよ」(小野さん)
螺旋階段を活用する
「空間の効率を優先して単調に見えがちな20坪・25坪の家でオススメしたいのが、螺旋階段です。螺旋階段は吹抜けのような開放感を演出できますし、空間にアクセントを加えてくれます」(伊藤さん)
スキップフロアを取り入れる
「20坪・25坪ぐらいの広さでも、スキップフロアを取り入れることができます。スキップフロアは見た目におしゃれなだけでなく、床面積を増やす効果もあります。建築基準法上、3階建て住宅を建てることが難しいケースでも、スキップフロアであれば取り入れられる場合が多いのもメリット。おしゃれに空間を有効活用できますよ」(小野さん)
スキップフロアについてもっと詳しく→
スキップフロアや畳コーナーのある家。子育てから介護まで多目的な活用事例を紹介!
スケルトンやガラス素材を活用し透過性を高める
空間を開放的にする方法の1つに、スケルトンやガラス素材を取り入れて透過性を高めるというテクニックがあります。
例えば、スケルトン階段は通常の階段と比べて視線を遮る面が少なく、抜け感を演出できるため、部屋を広く見せることが可能です。特にリビングに設置する場合、おしゃれで開放的な印象を与えます。
また、部屋を区切る窓や扉にガラス素材を活用するのもオススメです。ガラス張りの仕切りなら、光や視界を遮ることなく空間を分けられるため、圧迫感を軽減しながら、間取り全体のデザイン性を高めることができます。
デッドスペースをうまく活用する
住宅内でデッドスペースになりやすい場所には、階段下、屋根裏、床下などがあります。これらを上手に活用することで、床面積を圧迫せずに収納スペースを確保できます。
例えば、屋根裏は2階建て・平屋建てを問わず、収納スペースとして活用可能です。一般的なクローゼットよりも広さを確保しやすいため、大きな荷物の収納にも適しています。
また、階段下は収納スペースとして定番ですが、デスクを設置したり、カウンターや棚を造作したりすることで、ワークスペースやリビング学習の場としても活用できます。
このように、工夫次第でデッドスペースを有効活用すれば、狭くても快適な住まいを実現できます。
20坪・25坪の土地にオススメの間取り
20坪・25坪の土地はそれほど広さがない分、間取りが周囲の環境に左右されます。立地が道路沿いなのか、3方に家が密集する地域なのか、などの条件によって、適切な間取りが変わってきます。
旗竿地を逆手に取った都市型コートハウス
「20坪の旗竿地にある3階建て5LDKの家です。旗竿地とは、道に接している部分から奥まった場所にある敷地のこと。周囲は建て込んでいる場合がほとんどです。それを逆手に取って隣接する建物からの視線をかわしつつ借景を取り込み、プライバシーの確保と採光を両立した都市型のコートハウスとしました。接道部分から見える側面は家の”顔”として、また永続的に採光が確保できる箇所として、機能面と意匠面ともに充実させました」(杉浦さん)
趣味のスペースをしっかり確保した3階建ての家
「コンパクトな3階建ての家は採光が損なわれがちな1階にビルトインガレージと水回りを集約しました。吹抜けによって明るさを確保した2階は、リビング、ダイニング、キッチンと家族が集まるスペース。一番日当たりの良い3階には子どもたちのための11畳強の部屋と、ウォークインクロゼットがつながる夫妻の寝室を確保しました」(伊藤さん)
部屋のステップを収納としても活用した螺旋階段の家
「約25坪の敷地に計画した完全分離型の都市型二世帯住宅です。3階建ての民家が建て込んだ地域にありながら、天井高を調整して周囲の視線をかわす位置に窓をつくり、採光を確保しました。段差のあるステップフロアで緩やかに空間を仕切り、ステップ内部は床下収納として活用しています」(杉浦さん)
北側に道路がある利点を最大限に活かした家
「住宅地では隣家の南側からの日当たりを確保するために北側の建築物の高さを規制し、日が入るように斜めに空間を空けなければならない北側斜線制限という法律があります。しかし北側が民家ではなく道路であれば北側斜線制限の範囲ではなく、北側でも限度いっぱいに建物を建てることができるわけです。約25坪の敷地に設計したこの間取りは、北側を3階にし、逆に南側を2階建の低いつくりにして家全体に南からの日当たりを取り込んでいます」(杉浦さん)
中庭を設けた回遊型の住まい
「27坪の敷地のなかで、夫妻とお子さん2人の家族が、のびのびと過ごせるように住まいの中央に中庭を設けました。回遊できるように配置したそれぞれの部屋からは、緑を目にすることができますし、ある程度の採光を確保できます。家族が集まるリビング、ダイニング、キッチンや来客用の和室は日当たりのいい2階に。1階には3部屋と納戸を設け、子どもたちが大きくなったらそれぞれの部屋を持てるようにしました」(伊藤さん)
20坪・25坪にどんな家を建てた? 先輩たちの実例紹介
20坪・25坪の土地に家を建てると、どのような暮らしが実現できるのでしょうか。
スーモカウンターに相談して、理想の住まいを手に入れた先輩たちの実例を見てみましょう。
【case1】約18.5坪|夫妻が本当に欲しい機能をギュッと詰め込んだ、夢をかなえる家
夫妻2人暮らしのHさん。それまで 賃貸住宅に暮らしていましたが、夫の両親が住んでいた家を建て替えて、マイホームを持つことに。周囲に住宅が建て込んでいる立地だったので、そのなかでも「明るく広く暮らせる家にしたい」というのが、Hさんの希望でした。夫婦共働き故に効率的に家事ができる間取りや設備にもこだわったそうです。
Hさんが建てたのは、1階に和室、2階にLDK、3階に寝室と浴室・洗面室がある3階建ての家です。小さな部屋を1階と3階に集めた分、2階のリビングを広くとった間取りにして、メリハリをつけています。都心でも明るく、広く、開放的な住空間になりました。
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周りを囲まれた敷地でも明るく広く 開放感いっぱいで家事のしやすい住まいが完成
【case2】約20坪|階ごとにテイストを変えた、大人も子どもも居心地の良い家
子どもが生まれたばかりだったIさんご夫妻は、それまでの賃貸マンションが子育てには向いてないと感じ、家を建てることに。タワーマンションの購入も考えたそうですが、それよりも低予算で一戸建てを購入できると知り、家を建てることにしました。約20坪の土地は東京の品川にあります。都心の立地でクルマは必要ないと手放し、ガレージをつくらない間取りにしました。
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1階から3階まで、すべて異なる雰囲気の家で理想的な家事動線を実現
【case3】約26坪|開放感ある吹抜けリビングが明るい印象に
第2子の誕生をきっかけに購入したマンションからの住み替えを決意したNさん。共働きのため「掃除や家事の手間が省ける家」を建てたいと希望し、スーモカウンターに相談しました。
完成した家は、LDKの床をむく材ではなく高品質なシート材を採用することで掃除やメンテナンスの手間が省けるようにしたり、玄関にはシューズクロークを設けることでいつでもすっきりとした玄関まわりを保てるようにするなど、さまざまな工夫を盛り込みました。
限られた土地でありながらも、吹抜けリビングによって開放感のある明るい印象の家が完成し、忙しい共働きの子育て家族が楽しく暮らせる住まいとなっています。
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子育て中の共働き夫婦がこだわった掃除や家事の手間が省ける家
【case4】約26.6坪|広々とした2階のバルコニーは子どもの遊び場にも
1LDKの賃貸マンションに暮らしていたIさん夫妻。子どもが生まれたことで徐々に家が手狭となり、都心へのお出かけついでに気軽にスーモカウンターを訪れました。そこで一番気がかりだった予算について相談し、毎月の返済額をシミュレーション。家族で1週間話し合い、注文住宅を建てることに決めました。
妻が好きなブルーを差し色にして住まい全体を統一したIさん宅。なかでもこだわりは、星空観察やホームパーティー、子どもの遊び場としても十分な1部屋分の広さがある2階のバルコニーです。
賃貸暮らし時代は子どもの足音を気にする生活だったものの、今では2階から聞こえる子どもの足音がうれしく感じられるほど、マイホームを建てたことに満足しています。
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CMを見て訪れたスーモカウンターで、ぼんやりした夢が現実に!
【case5】約24坪|高齢のお母さまのすべての生活が1階のみで完結するよう考えられた家
老朽化した家にリフォームで手を加えながら住んできたMさん親子。しかし、手入れにかかる費用や光熱費の高さを考え思い切って家を建て替えようと思い、スーモカウンターへ相談しました。
相談を通じて明確になったMさん親子の希望は「自然素材で建てる」こと。アドバイザーに紹介された中から自然素材の注文住宅が得意な工務店に依頼を決めました。
屋内の壁と天井をすべて漆喰にした新たな家は、高齢のお母さまのすべての生活(食事やトイレ、入浴など)が1階で完結できる間取りになっており、さらには万一の救急搬送時に備えてストレッチャーが通れる設計です。相性が良く、信頼の置ける工務店との出会いが家づくりの成功につながりました。
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高齢のお母さまも安心して暮らせる、自然素材と漆喰壁のマイホーム
【case6】約26坪|家事動線やインナーテラスなど、子育て世帯の暮らしやすさを実現した家
Yさんご夫妻は第一子の妊娠をきっかけに、自分たちらしく子育てしやすい家が欲しいと考え、自由度の高い注文住宅を選択しました。狭くても2階建てにこだわり、駅から徒歩15分圏内の好立地な土地を見つけることができました。
家事のしやすさを考慮し、キッチン周辺に水回りを集約。広々としたLDKは、子どもを見守りながら効率よく家事ができる間取りになっており、満足しているようです。
また、LDKの隣に設けたインナーテラスもYさんご夫妻のこだわりの1つ。周囲の視線を気にせず、子どもがプール遊びなどを楽しめるスペースになっています。
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間取りの自由度を求めた注文住宅。家事動線やインナーテラスなど、子育て世帯の暮らしやすさを実現
【case7】約27坪|ひとひねりしたアイデアが光る“心がときめく間取り”を実現した家
妻の祖母が住んでいた家に暮らし始めたYさんは、子どもが中学生になるタイミングまでに家を建て替えようと計画を進めていました。太陽光発電システムや床暖房などの設備を取り入れつつ、暮らしのなかでときめきを感じられる住まいを目指しました。
ひとひねりした間取りにしたいという要望を反映し、玄関ホールにはロフト風の収納スペースを設け、縦の空間を活用して収納力を確保。さらに、シューズクローゼットはウォークインタイプとし、広々とした空間に。上着やペット用品もたっぷり収納できます。
また、寝室へのアクセスには階段を設置。これにより、その分の高さを活かした床下収納を追加し、より効率的な収納スペースを確保しました。
この実例をもっと詳しく→
40代で祖母の家を建て替え、日々の暮らしにときめきを感じるプランを取り入れた遊び心溢れる家
【case8】約27坪|より安心な構造にこだわりながら遊び心溢れる家
アパート暮らしをしていたTさん一家は、ご両親の提案により実家に隣接する土地を譲り受け、マイホームを建てました。限られた敷地でも広さを感じられるよう、できるだけ柱や梁をなくし、無垢(むく)床を取り入れた家を希望。
そこで、重量鉄骨構造を採用することで、柱や間仕切りのない開放的な間取りを実現しながら、安全性を確保しました。また、廊下や部屋ごとに異なる種類の無垢床を採用し、遊び心のある空間を演出。
さらに、テレビボードの裏にヌック(こぢんまりとした空間)を設けたり、キッチン背面のカウンターにワークスペースを配置したりすることで、狭い空間を有効活用し、利便性を高めています。
この実例をもっと詳しく→
27坪の土地を徹底活用した“オーバーハングの家”。耐震性・断熱性も重視した3階建て
【編集部が解説】20坪・25坪では平屋・2階建て・3階建てのどれがよい?
20坪・25坪の土地に快適な住まいを構えるなら、平屋・2階建て・3階建てではどれがよいのでしょうか。
それぞれの間取りで活かせるオススメのアイデアなどを紹介します。
20坪・25坪の平屋間取り|老後にも優しい家
平屋のメリットは数あるなかでも「毎日の生活がワンフロアで完結すること」が大きいでしょう。その特性を活かして、キッチンや洗面室、浴室、ランドリールームなどの水回りを1カ所に集約すれば、普段の生活における移動距離が短くて済み、家事の効率化も図れます。
また、段差をなくし、万一に備えて車椅子なども通れる設計にすることで老後も暮らしやすくなります。扉は開き戸ではなく引き戸にすれば、車椅子に座ったままでも開閉しやすいでしょう。
廊下をなくしてリビングや水回り、各個室が直結するよう設計すれば、その分スペースも有効活用できます。
廊下のない間取りについてもっと詳しく
→廊下のない間取りは無駄がない? 廊下のある間取りと比較したメリット・デメリットを紹介!
20坪・25坪の2階建て間取り|子どもがいるファミリーにも
20坪・25坪の2階建てなら、子どもがいるファミリーも過ごしやすい間取りが実現可能です。
スペースが限られているなかでもパントリーや食器収納、リビング収納などを設けることで、家のなかのものもしっかりと収納でき、すっきりとした空間も保てます。
また、1階にLDKや浴室、トイレなどの水回りに加えて夫妻用のスペースを配置し、2階は個室のみにしておけば、高齢になったときに2階を使わずに1階のみで生活することも可能。
工夫次第で家族構成やライフスタイルの変化に合わせて長く暮らしやすい住まいが実現できます。
2階建ての間取りの実例についてもっと詳しく
>>空き家になっていた祖母の家を建て替え!子どもたちが元気に遊びまわれる家
20坪・25坪の3階建て間取り|1階を駐車場にすることもできる
20坪・25坪の3階建てなら、1階を駐車場にする間取りも選択肢の1つです。
20坪・25坪の敷地内に建物とは別で駐車場を設けようとすると、建てられるスペースがかなり小さくなってしまいます。3階建ての間取りを考えるなら、思い切って建物の1階を駐車場にしたガレージハウスを検討してみるのもよいでしょう。
1階の半分近くのスペースが駐車場に取られることになりますが、玄関や階段のスペースを除いても、個室1つ分のスペースは確保できます。浴室や洗面室などの水回りを集約したり、大きめのシューズインクローゼットを設けて収納スペースにしたりと活用方法もさまざまです。
2階に広々としたLDKを設け、家族の個室は3階に設けるなどフロアごとに工夫することで、2LDK~3LDKの間取りも実現できるでしょう。
ガレージハウスについてもっと詳しく
>>【実例あり】ガレージハウスの魅力とは? クルマ好きが憧れる住まいのポイント
スーモカウンターに相談してみよう
これまで見てきたように、20坪・25坪の土地は平均よりもやや狭い土地です。どちらかというと、広さよりも立地の利便性を求める人がこのサイズの土地を選ぶ傾向にあります。人気の場所だけに周囲が建て込んでいることが多いので、採光を良くする工夫が必要になります。
注文住宅の新築・建て替えをサポートしているスーモカウンターでは、家づくりの不安を解決できる無料講座や、アドバイザーに悩みを相談できる無料の個別相談などを実施しています。個別相談では予算や希望条件の整理、建築会社の紹介など、注文住宅を建てる際のあらゆる不安について、知識と経験のある専任アドバイザーに無料で何度でも相談できます。
20坪・25坪の土地にどんな家を建てるか迷っている人は、スーモカウンターを活用して、家づくりの第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
取材協力/シグマ建設
取材協力/充総合計画一級建築士事務所 杉浦充さん
取材・執筆/蜂谷智子(りんかく)、SUUMO編集部
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