注文住宅を建てるなら「外観にもこだわりたい」と考える方は多いはずです。しかし、外観といってもデザインの種類が多く、どれを選べば良いのか悩んでしまう方もいるでしょう。おしゃれな見た目にしたくても、好みだけで選んでしまうとアンバランスになる可能性もあり、満足のいくデザインにならないケースもあります。
そこで今回は、外観の代表的なデザインの種類や家の外観を決める要素、おしゃれに仕上げるポイントなどをアイダ設計の清水健晴さんに伺いました。悩みを解決して満足する家づくりをするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
外観とは
「外観」とは、「建物を外から見た姿」を意味します。家の外観は、外壁や屋根の色、使用する素材、窓やドアの形状などさまざまな要素が組み合わさって、和風や洋風、シンプル、個性的など全体のイメージが決まります。
「家の外観はお客さまの好みが大きく反映されるところです。外出先から帰ってきて家が目に入ったときに『この家に帰ってこれてうれしい』と思える外観にするのが理想的だと思います」(清水さん/以下同)
代表的な家の外観デザインの種類
外観を決めるときには、まずはどのような外観デザインにしたいかを考えることからはじめます。ここでは主な外観デザインの種類と見る人に与える印象を紹介します。
和風
和風デザインは、引き戸に塗り壁、縁側、切妻や寄棟の瓦葺きの屋根などが特徴です。落ち着いた色合いが選ばれることが多く、外構も含めて落ち着いた雰囲気の外観となります。
「自然素材となじみやすい和風デザインは、玄関や窓など開口部周辺に天然木を取り入れることでおしゃれ度が上がると思います」
和モダン
和風デザインを、よりシャープな印象にしたのが「和モダン」です。
「和モダンは、彩度の低い色や日本伝統の藍色、くすんだ緑などを使ったり、木目調のものを取り入れたりするとおしゃれ度を高めやすくなります」
シンプルモダン・ナチュラルモダン
シンプルモダンは、軒を大きく出さないすっきりした四角形、片流れや陸屋根など、凹凸を抑え直線的なフォルムの外観が特徴。ナチュラルモダンは、シンプルモダンに木目やレンガなどの自然素材をあわせたデザインです。
「ナチュラルモダンは手すりや軒天(屋根の裏側部分)などをウッド調にしたり、差し色を入れたりすることでおしゃれ度が上がります」
北欧モダン
北欧モダンは、白やアイボリーなどの淡色をベースとした外壁に三角の切妻屋根が特徴です。淡いグリーンやブルーなど、パステルカラーとのツートン(2つの色を用いること)も多く見られます。
南欧風
南欧風の外観デザインは、白やオフホワイトなど優しい色合いの外壁に、オレンジ系の素焼きの瓦や木調の玄関ドアなどが特徴です。
「南欧風の外観デザインは、鋳物(いもの=アイアン製品)との相性がとてもよいので、デザイン小物をあしらったり、フェンスに鋳物を選んだりするとよりおしゃれな外観になります」
アメリカン
切妻屋根やラップサイディング(幅の細い外壁材を重ね張りして仕上げる外壁)、屋根に大きく覆われたカバードポーチが特徴的なのがアメリカンデザインです。アメリカンデザインには、白やブルーを基調とした西海岸風や、無機質なガルバリウム鋼板(※)の外壁に温かみのある木目素材やアイアン、レンガなどを使ったインダストリアルなブルックリン風などさまざまな種類があります。
※ガルバリウム鋼板は日鉄鋼板の登録商標です
【編集部解説】家の外観がダサくなってしまう原因
自分好みにアレンジできる注文住宅にしたにもかかわらず、外観が思ったようなデザインにならないのにはいくつかの原因があります。
- 外壁や外構の色や素材が安っぽい
- 窓のバランスが悪く統一感がない
- 外観と玄関のバランスが悪い
- 軒が短く統一感がない
- 外構がおろそかになっている
それぞれについて編集部が解説します。
外壁や屋根、外構の色や素材が安っぽい
外観選びでは、どのようなデザインであっても、素材や色の選び方に注意しないとイメージ通りにならない可能性があります。シンプルなデザインの住宅はとくに、素材やディテールの工夫がないと単調に見えてしまい、魅力が十分に引き出されないことがあります。例えば、幅の細い板を重ね張りしたラップサイディングを施すことで、シンプルなデザインでもアクセントが生まれ、洗練された印象を与えることができます。
一方で、装飾が多いデザインの住宅でも、外壁や屋根、外構の色や素材の選び方が悪いとバランスが崩れ、高級感が失われてしまうことも。例えば、豪華な装飾が施された外観であっても、色の組み合わせが派手すぎたり、色を使いすぎたりすると統一感のないデザインになってしまうことがあります
このような場合、装飾のディテールにあわせた落ち着いた色調を選ぶことで、豪華さを引き立たせつつ、全体に統一感を持たせることができます。複雑なデザインの場合でも質感や色調を工夫することで、全体の調和がとれた洗練された外観を実現することが重要です。
窓のバランスが悪く統一感がない
窓のレイアウトのバランスも外観に大きく影響を与える要素の一つです。窓は外観のアクセントになり、配置を間違えてしまうとバランスが悪くなり、魅力が損なわれてしまいます。窓の位置によっては意図せず人の顔のように見えてしまうこともあるため注意が必要です。
例えば、引き違い窓は太陽光が差し込みやすく、換気がしやすいといったメリットがありますが、多用してしまうとメリハリがなくなってしまいます。しかし、丸窓やスリット窓など、違うタイプの窓を採用することで、アクセントとなり単調な印象を払拭できます。
窓枠のカラーも外壁や外構の雰囲気とあわせないと統一感がなく、違和感を与えてしまいます。窓枠のみ浮いた違和感のある住宅になってしまうため、全体的なバランスを考えて色味を選ぶことが大切です。
外観と玄関のバランスが悪い
玄関ドアは住宅の「顔」ともいえる重要な部分です。デザインの選択を誤ると、全体の印象が不自然になりかねませんので、注意が必要です。例えば、極端ですが以下のような組み合わせは、全体の調和を損ねる可能性があります。
- 和風な外観に洋風の玄関ドア
- 洋風な外観に和風の玄関ドア
- スタイリッシュな印象の外観にカントリー調の木製の玄関ドア
外観と玄関ドアのテイストや素材のバランスがとれていないと、違和感を感じる住宅になってしまいます。外観のテイストに合った玄関ドアを選ぶことや、外壁と同系色にすることで、より統一感のある仕上がりになります。
外構がおろそかになっている
家づくりでは、外構にも目を向けることが大切です。外構とは、塀や門、庭、アプローチ、駐車場など、建物のまわりを取り囲む部分を指します。もし、外構の計画を立てずに放置したり、単にコンクリートを敷いたりしただけの状態にしてしまうと、あまり整っていない印象を与えることがあります。
おしゃれな外観にするためには、外構にも工夫を凝らすことが重要です。例えば、機能的な門柱を設置したり、デザイン性の高い塀を取り入れたりといったアレンジが挙げられます。コンクリートだけでなく、おしゃれなレンガや砂利を敷いたり、植栽を取り入れたりすることで、住宅の印象を大きく変えることができるでしょう。
とくに、シンボルツリーを植えるならシマトネリコやオリーブ、ココスヤシなどを植えることで、落ち着きがありつつも、個性的でおしゃれな外観を演出できます。
ただし、住宅ローンの借入額などの関係で、はじめから外構まで力を入れることが難しい場合も少なくありません。そのため、まずは外構を後回しにして、時間をかけて少しずつ整えていく方も多いです。その場合は、あらかじめ長期的な計画を立てておき、徐々におしゃれな外観をつくる方法も検討すると良いでしょう。
外構工事につてもっと詳しく→
エクステリアとは? 外構など建物の外部にもこだわって魅力的な家づくりを!
シンボルツリーの選び方についてもっと詳しく→
【実例画像あり】シンボルツリーの選び方と、おすすめの樹種
植栽の選び方についてもっと詳しく→
植栽でおしゃれに住まいを彩るには? おすすめの植物や選び方、配置のポイントを紹介
軒が短く統一感がない
軒とは、外壁や窓、玄関よりも屋根が外側に出ている部分を指します。近年の都市部の住宅では、スペースの制約やデザインのトレンドにより、軒の出が短い住宅も多くあります。特にシンプルで直線的なデザインの家と相性が良く、軒をあえて短くすることでスタイリッシュな見た目が際立ちます。
一方で、軒の出が短すぎるとバランスが悪く感じる場合もあり、特に広い敷地や大きな家では軒を少し長めにとることで、外観にボリューム感を与えることができます。また、軒の長さは快適性にも影響し、短い場合は外壁に雨がかかりやすく、汚れや劣化のリスクが高まることもあります。そのため、バランスの取れた軒の長さを選ぶことが大切です。
特に、積雪地帯や雨の多い地域では、フラットルーフや短い軒のデザインが採用される場合もあり、こうした設計は機能性と見た目の両方を考慮したものです。デザイン性と実用性を両立させるためにも、住宅の大きさや立地条件を十分に考慮して軒の長さを決めましょう。
住宅の大きさに対して軒が短いと、バランスが悪くなり、見た目が不格好に感じられることがあります。
さらに、軒は住まいの快適性にも大きく影響します。軒が短いと雨が外壁にかかりやすくなり、その結果、外壁が汚れやすく、劣化が進みやすくなります。シーリングが施されている部分も早く劣化し、最悪の場合、雨漏りの原因となる可能性もあるでしょう。
また、軒が短いと太陽光を多く受けることになり、冷房の効率が低下する可能性もあります。一般的には、軒の長さは90cm程度が理想的とされています。軒を適切な長さにすることでこれらの問題を軽減し、さらに住宅を大きく見せる効果も期待できます。家づくりの際には、住宅の大きさと軒の長さのバランスを十分に考慮することが重要です。
軒の出についてもっと詳しく→
軒の出とは?長さによる印象の違いやメリット・デメリットなどを実例と共に解説
家の外観を決める要素とおしゃれに仕上げるポイント
同じ外観デザインでも、建物や屋根の形状、外壁の色や素材の種類などによって、見える印象は異なります。ここでは家の外観を決める要素と、おしゃれに仕上げるポイントを紹介します。
敷地の広さや形状
敷地の広さや形状は、建物の外観に影響を与えます。同じ延べ床面積の家を建てたい場合でも、敷地が広ければ平屋にしたり二階建てにして庭や駐車場を広く取ったり、さまざまな家の形が考えられるでしょう。一方希望する延べ床面積に対して敷地面積が狭ければ、平屋のような横長の外観の家は難しく、二階建て、三階建てなど縦長の外観になっていきます。
建物の形
一戸建ての建物の形は、一般的には大きく以下の3種類があります。
- 平屋
- 二階建て
- 三階建て
それぞれの形で見た目の印象も大きく異なります。シンプルな見た目が好き、個性的な住宅にしたいなど、自分の好みにあわせて形状を選ぶのもよいでしょう。
平屋
一口に「平屋」といっても、長方形やコの字型など、形状はさまざまです。
さらにL字型タイプやコの字型タイプは、どちらを正面にするかによって外観の印象が異なります。正面から見てフラットに見えるとシンプルな印象、凸凹して見えると個性的な印象になります。
二階建て
二階建ては、二階部分と外周がそろった「総二階」と、二階部分が小さい「部分二階」があります。部分二階はアシンメトリーな形状となり個性を出しやすく、総二階はシンプルですっきりした印象になります。
三階建て
三階建ては、間口(道路に接する土地の長さ)が狭ければ狭いほどすらりとした印象に、間口が広ければ落ち着いた印象になります。
「三階建ては狭い土地に建てることが多いため、玄関部分が凹む形状になる傾向があります。その部分だけ明るい色を使ったり、外壁の色とドアの色を変えてアクセントを付けたりするとおしゃれな印象になります」
外壁
外壁は、色や素材によって印象が大きく変わります。相性の良し悪しもあるため、外観の雰囲気やテイストにあわせて選んでみてください。ここでは、外壁の色や外壁材の種類別の印象をお伝えしていきます。
外壁の色
外壁の色は、ベースの色を決め、同系色をアクセントカラーにするとまとめやすくなります。色合いのコントラストを弱くすると上品で優しいイメージに、コントラストを利かせるとシャープでモダンな印象を演出できます。
「二階建てだと、出っ張っている部分だけ外壁の素材や色を変えることもあります。
とくに一階と二階で窓の位置をそろえることが多い総二階は、その部分に対して縦にラインを入れたり、バルコニーの出っ張った部分にアクセントとして差し色を入れたりすると、洗練された都会的なイメージを与えやすくなります」
「一方平屋では、全面を同じ色にして統一感を出すことが多い印象です。
コの字型やロの字型で中庭部分から自然光を取り入れる場合など、外側に窓が少ない外観にするとのっぺりしすぎるようなケースでは、玄関付近など一部だけポイントとして色を変えることもあります」
外壁の素材
どのような外壁材を使うかによっても、外観の印象が変わります。
・窯業系サイディング
セメントが主原料の窯業系サイディングは色やデザインの種類が豊富で、レンガ調、木目調など好みの外観デザインにしやすいのが特徴です。
サイディング外壁についてもっと詳しく
サイディングの外壁の特徴は? メリット・デメリットを紹介
・金属系サイディング
金属系サイディング(ガルバリウム鋼板)は、クールでスタイリッシュなイメージの外観を実現しやすいのが特徴です。とくに縦張りにするとより都会的でインダストリアルな印象になります。
ガルバリウム鋼板の外壁についてもっと詳しく
【実例付き】ガルバリウム鋼鈑の外壁や屋根のメリット・デメリットを解説
・塗り壁
塗り壁は、仕上げ方によって独特の雰囲気を出せるのが特徴です。サイディングのように継ぎ目がないので、高級感のある外観になります。
塗り壁についてもっと詳しく→
塗り壁の外壁・内壁を注文住宅で実現したい!メリット・デメリットや種類・費用目安まで解説
・タイル
本物のタイルを張ると、タイル調サイディングを使用するよりも重厚感や高級感のある外観を演出できます。
外壁のタイル仕上げについてもっと詳しく
外壁をタイルで仕上げるメリットとは?デメリットについても解説
屋根
屋根の形状や色、素材によっても外観の印象は大きく異なります。外壁の素材やデザインに合わない屋根を選ぶと、全体のバランスが崩れてしまい、統一感が欠けた印象を与えることがあります。そのため、外壁に調和する屋根を選ぶことが重要です。ここからは、屋根の形状、色、素材による印象の違いや、選ぶ際のポイントについてご紹介します。
屋根の形
屋根の形もさまざまな種類があり、見る人に与える印象が異なります。代表的な屋根の種類と外観の印象は次のとおりです。
・切妻(きりづま)屋根
本を伏せたような形状の屋根です。シンプルですっきりしており、かわいらしい印象になります。
・寄棟(よせむね)屋根
中央にある大棟から、四方に傾斜がある寄棟は、重厚感と安定感のあるどっしりとした印象の外観になります。
・片流れ屋根
一方向だけに傾斜が付いた片流れ屋根は、アシンメトリーでデザイン性が高いことから近年人気の形状です。前後左右のどの方向に流すかによっても、外観に与える印象は異なります。
・差し掛け屋根
切妻屋根にあえて段差を付け、高さの違う片流れ屋根を組み合わせたような差し掛け屋根も、アシンメトリーで個性的な外観の家になります。
・陸屋根
ビルのように平らな陸屋根は、シンプルな直線を描くため、シャープでモダンな外観を演出できます。
「屋根の形状は外観に大きな影響を与えますが、法律上高さ制限などにかかってしまい、好みの屋根にできないケースもあります」
屋根にこだわりたい場合には、土地選びの際に確認しましょう。
屋根の種類と特徴について詳しくはこちら→
屋根の種類にはどんなものがある?構造や形の違いによる特徴を紹介!
屋根の色
屋根の色は、外壁とのバランスを考えて選ぶことが大切です。基本的には、外壁と同系色の濃色を選ぶとまとまりやすくなります。
「屋根は外壁よりは目に入りにくい部分なので、まずは外壁の色を優先的に決めてしまい、それから屋根の色を選ぶのが基本です」
屋根の素材
屋根の素材には、主に以下のようなものがあり、それぞれ与える印象や適した外観デザインがあります。
「基本的に屋根材は、重みや厚みがあるほど、また色が濃いほど重厚感を与えやすくなります」
・瓦
粘土を高温で焼いてつくられた屋根材です。黒色で重厚な雰囲気の和瓦は和風デザインの家に、明るい色合いの洋瓦は洋風デザインの家に合います。
・スレート
セメントと繊維材料が主原料のスレートは、グレーやブラウン、ブラックはもちろん、ブルーやグリーン、オレンジ、レッド、ホワイトなど色の種類が豊富で好みの外観に仕上げやすくなります。
・ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板を屋根に使うと、モダンでスタイリッシュな外観に仕上がりやすくなります。
「外壁にガルバリウム鋼板を使うと、統一感を出すために、屋根も同じ素材でそろえるケースが多いです」
「近年は洋風デザインでも和風デザインであっても、瓦よりもスレートが選ばれやすくなっています。それはスレートのほうがモダンなデザインにできる、瓦に比べて軽量なため耐震性に優れている、低予算で済むなど、多くのメリットがあることが理由のように思います」
窓
前述のとおり、窓のバランスも家づくりにおいて非常に重要な要素です。選ぶ窓の種類、大きさ、数、そして配置の仕方によって家全体の印象が変わり、おしゃれな雰囲気を演出できます。おしゃれな家を目指すなら、以下のポイントを参考にして窓選びや配置を慎重に検討してみてください。
窓の形
窓の形によっても、外観の印象は変わります。例えば桟が入らない窓はすっきりしたおしゃれな印象になり、半円形の窓を取り付けると洋館のイメージが強くなります。
窓の大きさ・数・配置
「数を少なくした小さめの窓を、縦横そろえて配置すると、モダンで洗練されたイメージの外観になります。とはいえ、例えば室内側に洗面所やお風呂、家具を配置するなどの場合には、それらの事情を優先することもあるので、必ずしも希望の位置に窓を配置できるとは限りません」
ドア
玄関ドアも外観の印象に大きく影響を与える重要なポイントです。ドアの形状や素材、色によって印象が異なるため、住宅の外観に調和する玄関ドアを選ぶことが大切です。おしゃれな家づくりを目指すために、次のポイントを参考にしてみてください。
ドアの形
玄関ドアは開き戸と引き戸があります。一般的に開き戸は和風・洋風デザインどちらの外観にも合いますが、引き戸を用いると和風な印象になります。
「表面がフラットな外観であれば引き戸を取り付ける十分なスペースを取れますが、玄関部分を凹ませる外観デザインにする場合には、スペースの関係から片開き戸が選ばれることが多いでしょう」
ドアの素材
ドアの素材はアルミやスチールなどの金属製と、木製の2つに大別されます。加工が容易なアルミ製はデザインが豊富なのが特徴で、スチール製はモダンでスタイリッシュな印象になります。一方自然素材の木製ドアは、ナチュラルで暖かな雰囲気の演出が可能です。
「金属製のドアを選ぶと、外観デザインが和風でも洋風でも、モダンで都会的なイメージを演出しやすくなります」
ドアの色
外観となじませるかアクセントにするかによって、ドアの色選びは異なります。外壁や屋根と同系色にすると外観となじみやすく、まったく別の色を選ぶと印象的なアクセントになります。
「インパクトの強い色であっても、外観のほんの一部分となるドアであれば、ほどよいアクセントとしておさまります」
外構
外構はフェンスや塀で敷地を囲む「クローズド外構」にすると堅牢(けんろう)なイメージに、目隠しになるようなものがない「オープン外構」にすると開放的な印象になります。
外構・エクステリアについてはこちらから
→ エクステリアとは?外構など建物の外部にもこだわって魅力的な家づくりを!
照明
「外観は、昼と夜とでも印象が変わります。夜の外観イメージをよくしたい場合は、建物をライトアップするような間接照明をうまく取り入れることが、おしゃれに見せるポイントです」
家の外観を決めるときのポイントと注意点
家の外観を決める際には、以下のポイントに注意しましょう。
- コンセプトイメージとカラーを決める
- メンテナンス性も考慮する
それぞれを詳しくご紹介していきます。
まずはコンセプトイメージとカラーを決める
「家の外観を決めるときには、まずは和風やシンプルモダン、南欧風など、どのような外観デザインが好みなのかを明確にします。それからベースカラーは何色がいいのか、ダークな色合いと明るい色合いならどちらがよいのか、1色にするのか2色で張り分けるのかなどを考えましょう。
外壁全体のコンセプトとカラーを決めてから、それにあわせて窓やドアの配置やデザイン、色といった細部を選んでいくとうまくまとまります」
メンテナンス性も考慮する
「おしゃれな外観にしたい場合は、外壁材や屋根材などのメンテナンス性も考慮することをおすすめします。汚れやすかったり色あせしやすかったりすると、おしゃれな外観を保ちにくくなるためです。
例えば、雨で汚れが落ちる光触媒などの塗料が使われている外壁材や屋根材を選ぶと、頻繁にメンテナンスしなくても綺麗な外観を保ちやすくなります。道路が近くホコリが立ちやすいような場所に家を建てる場合はとくに、メンテナンス性の高い素材をおすすめしたいです」
好みの外観を実現した先輩たちの実例を紹介!
注文住宅の外観で悩んだときには、実際に家づくりをした方々の実例をチェックするのもおすすめです。家の雰囲気やデザインなど、自分の好みに合う実例があれば家づくりの参考になります。8つのケースをご紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
【Case1】目指したのは「The おうち」!シンプルな切妻屋根が印象的な家
将来的に夫の両親との同居を視野に、家づくりを決意したTさん夫妻。絵本に出てくるような「The おうち」を体現できるシンプルな切妻屋根の家を実現するために、外観デザインを最優先にした家づくりをおこないました。希望を実現するために、何度も間取りを変更するなどした末に、思い通りの外観デザインになり、満足しているそうです。
この実例をもっと詳しく→
思い通りにできたシンプルな佇まいの切妻屋根がかわいい家
【Case2】外壁の素材や色にこだわり平屋のアメリカンハウスを実現!
昔からアメリカンスタイルのフラットハウスに憧れていたOさん夫妻は、平屋にこだわり家づくりをスタート。アメリカンハウスの特徴ともなるサイディングはとくに重視し、のちのちのメンテナンスのことまで考えて選びました。リビングのサッシも全開にできるものを選ぶなど、多少予算がかかってもこだわるべきところにはこだわって、平屋のフラットハウスを実現しました。
この実例をもっと詳しく→
「平屋の家で二世帯住宅」をかなえるために、DIYを採り入れて上手にコストダウン
【Case3】白いガルバリウムの外観デザインがスタイリッシュ!街並みに溶け込む白い家
テレビで見たガルバリウムを使った外観デザインが気に入り、家を建てるときにはぜひ取り入れたいと夢見ていたKさん。街並みに溶け込むように、ホワイトカラーのガルバリウムを希望しました。シャープでスタイリッシュに見えるよう、縦のラインの細さにもこだわって、メーカーや品番まで指定して施工を依頼。とことんこだわった白いガルバリウムの外観に、大満足しています。
この実例をもっと詳しく→
白いガルバリウムの外壁にとことんこだわって、ようやく完成した終の住処
【Case4】インテリアとの統一感を考えて外観の色選び!内装から外観デザインを決定
当初はナチュラルなカフェ風を検討していたけれども、インテリア写真を集めているうちにインダストリアルなかっこいいデザインが好みと気付いたKさん。外観はガルバリウムでかっこよくしたいと決めたものの白と黒とで色選びに迷ったKさんは、両方のパターンをCGで確認。最終的にインテリアなど内観との統一感が出る黒を選び、家の中も外もインダストリアルな雰囲気あふれる家を実現しました。
この実例をもっと詳しく→
インダストリアルテイストにこだわり、家族がのびのびと笑顔で過ごせる空間に
【Case5】南欧プロヴァンス風デザインの家は白壁に明るいオレンジ屋根がおしゃれな雰囲気
白壁に明るいオレンジ屋根が特徴の、南欧プロヴァンス風デザインの家を希望していたHさん夫妻。「プロヴァンス風デザインの建物の形状は、立体的にするのがおしゃれ」との建築会社のアドバイスを受けつつプランニングを進めました。思い通りに仕上がった、白を基調とした明るい雰囲気のあるプロヴァンス風デザインの家で、ゆったりと家族の時間を楽しんでいます。
この実例をもっと詳しく→
憧れのプロヴァンステイストの明るい空間で、ゆったりとした暮らしを楽しむ
【Case6】白と黒を基調にしたモダンでスタイリッシュな家
築40年を超える家に祖父母と同居していたEさん。祖父母の他界を機に建て替えを考えるようになり、「家のデザインに自分の生活スタイルを合わせる」をコンセプトにした家づくりがはじまりました。
白・黒・グレーをテーマカラーとして内装デザインを決めていき、外観は内装と同様に白を使ってシンプルな見た目にしました。窓の配置や種類によってスタイリッシュさも加わり、おしゃれな印象を受けます。
外構にはシルバーに塗装した置き石が配置され、近代的な空間を演出しています。シンプルな外観にプラスされ、よりおしゃれ度が増している例といえるでしょう。
この実例をもっと詳しく→
建築会社と話し合いを重ね完成したスタイリッシュな“白黒”の家
【Case7】アメリカンテイストでシンメトリーな平屋風2階建ての家
フラットな空間での暮らしを希望していたYさん夫妻。夫の実家の土地でアメリカンスタイルな平屋住宅風の家づくりをスタートしました。リビングが南向きに配置され、外での朝食やランチを楽しめるよう、リビングからつながるカバードポーチを配置しています。
アメリカンテイストにピッタリなラップサイディングを施し、玄関脇にはテーマカラーにあわせて選んだ街灯風の照明を設置。アメリカンテイストな雰囲気を演出するおしゃれな外観のポイントにもなっています。
また、大きなシンメトリーの屋根は家を広く見せる効果もあります。屋根には太陽光発電システムも導入し、家中の電気を太陽光発電で賄っているそう。LDKは20畳ほどの広さですが、勾配天井によってより広さを感じられる空間となっています。パブリックスペースとプライベートスペースを切り分けたこだわりの間取りによって、家族にとって心地のよいフラットな住宅が実現しました。
この実例をもっと詳しく→
憧れのアメリカンテイストを取り入れた開放感のある平屋風2階建ての暮らし
【Case8】窓にも特徴のある洋風の平屋を実現した家
コロナの影響で挙式が延期になり、家づくりを先にはじめたOさん夫妻。じっくりと時間をかけて家づくりに取り組んだ甲斐があって理想の土地と出会え、憧れの平屋を手に入れることができました。
おとぎ話に出てくるヨーロッパ風のお城に憧れ、ゴージャスなデザインにこだわって、一つひとつの間取りや設備を決めたそう。高級感のある雰囲気にするためにも、内装で使用するドアには、モールディングを施したドアを採用しました。
外観にも工夫が凝らされ窓も扇形や四角形などを組み合わせた輸入住宅風のデザインに。外構には芝生が一面に敷かれ、一見すると外国のお家と見間違うほどです。
イメージ通りの、住まいで大満足の暮らしを送っています。
この実例をもっと詳しく→
駅近マンションより広さ重視 やっと見つけた土地に憧れの平屋を建築
望むライフスタイルにマッチした「帰ってこられてうれしい」と思える外観を実現しよう
最後にあらためて清水さんに、おしゃれな外観の注文住宅を建てるときのポイントを伺いました。
「家は建ててから何十年も住むものです。そのため家の外観を決めるときも、まずはその家でどんな暮らしをしたいのかを思い描くことが大切です。そうすれば、例えば都会的な生活をしたければモダンなデザイン、地に足が着いた暮らしがしたければ落ち着いた色合いを選ぶなど、自然と望むライフスタイルにあった外観になっていくように思います。
外出先から帰ってきて家を見たときに『この家に帰ってこられてうれしい』と感じられる外観の家づくりを、ぜひ実現してください」
スーモカウンターに相談してみよう
「おしゃれな外観の家にするにはどうすればいいの?」「理想の外観の家を実現してくれる工務店を知りたい」など、住まいづくりに疑問や悩みを抱えている人は、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご希望をお聞きした上で、かなえてくれそうな依頼先を提案、紹介します。
無料の個別相談のほか、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりの段取りや会社選びのポイントなどを学べる、無料の家づくり講座も利用できます。ぜひお問い合わせください。
イラスト/タイマタカシ
監修/SUUMO編集部(【編集部解説】家の外観がダサくなってしまう原因)