住宅の家事動線は、家事の効率を上げて暮らしやすさに直結する。特に子育て中の家庭や共働きの夫妻など、毎日忙しく過ごしている人にとっては、家事動線がスムーズになる間取りは重要だろう。「家事動線が理想的な間取りの実例を知りたい」「自分の生活に合った家事動線を実現させるコツを知りたい」と思っている人も多い。
本記事では、家事動線のいい間取りのアイデアやスーモカウンターの実例を紹介する。注文住宅の購入を予定している人は特に参考にしてほしい。
目次
新築時の間取りはみんな家事動線にこだわっている!
注文住宅を建てた先輩たちが、新築時に何にこだわったのかとアンケートで聞いたところ、結果は下記のとおり。上位10項目までのうち、「家事のしやすさ」にかかわる項目が6つもランクインしている。共働き家庭も増えている昨今、家を建てる人たちにとって、家事効率のいい家への関心が高まっているといえそうだ。
家事動線のいい間取りの人気のアイデアを紹介
家事のしやすさは人によって違うため、どんな間取りが正解とはいえないが、編集部が取材などでよく見る「家事動線に工夫した家」には、こんなアイデアが盛り込まれている。
キッチンは回遊性を重視する
キッチンは、回遊できる動線になっているかを重要視しよう。キッチンからリビングダイニング、パントリー、ランドリールームなどを通ってぐるっと回れると便利なので、回遊できるキッチンは人気の間取りだ。
回遊性が高いと、キッチンで料理をしながら洗濯や掃除など他の家事をしたり、子どもの様子を確認したりがしやすい。また、回遊動線なら家族同士がすれ違うのを避けられるので、ストレスなくキッチン周りの家事をこなせるだろう。
特に、アイランドキッチンはキッチン内でぐるっと回遊動線が完結するので、家族そろって料理するのもスムーズだ。
水回りの動線を確保する
キッチン・洗面所・ランドリールーム・トイレなど、水回りの家事動線を確保しよう。水回りをまとめて配置してコンパクトな家事動線ができると、料理・洗濯・掃除などの家事を同時に進めやすくなる。
特に、料理は家事の中でも時間がかかるので、キッチンを中心とした水回りの動線を確保するとより効率がよくなるだろう。
ただし、家庭によって負担に感じる家事や力を入れている家事は異なるので、優先する家事に合わせて水回りの動線を検討するのがオススメだ。
そのほかにも、玄関から洗面室、お風呂などの動線を回遊し、帰宅後に手洗い、入浴までをスムーズにできる動線の採用を検討するケースも。お子さんが外で思いっきり遊んで帰ってきても洗面室やお風呂に直行できる点が子育て世代に注目されている。
洗濯の動線を短くする
洗濯は、洗濯物を持ち運ぶ距離が長いと重労働になるので、洗濯動線はできるだけ短くなるように心がけるのがポイントだ。
特に、洗濯機の近くに室内物干しスペースを設置する間取りは人気がある。洗濯の後すぐに干せ、雨の日や花粉・黄砂の多い季節でも安心だろう。さらに、室内物干しスペースの近くにカウンターや作業台を設置すれば、乾いた衣類をその場で畳んだりアイロンがけしたりできるので、洗濯物を持って移動せずに済む。
また、室外で洗濯物を干したい場合は、洗濯機の近くにバルコニーへの出入り口を設けて物干しスペースにすぐに出られるようにする案をオススメする。
この実例をもっと詳しく→
遠隔地とリモートで打ち合わせ、家族で楽しむ屋上のある家を実現
ファミリークロークで家族の衣類収納をまとめる
家族の衣類は、ファミリークロークにまとめ、畳んだ洗濯物を1つの場所にしまえると家事が楽になる。
ファミリークロークがあれば、それぞれの個室まで洗濯物を運ぶ手間が省け、季節ごとの衣替えも1カ所で行える。また、ファミリークロークをランドリースペースの近くに配置すれば、洗濯の家事動線が短くて済み、乾いた衣類をランドリースペースからハンガーのまま収納することも簡単だ。
しかし、生活スタイルによって、ファミリークロークの適した位置は異なるだろう。寝室に近い方が朝晩の着替えに便利だという人もいれば、玄関の近くが外出の前後に使いやすいという人もいるので、それぞれの家庭で検討する必要がある。
この実例をもっと詳しく→耐震性と間取りの動線を重視し、開放感たっぷりの吹抜けと眺望を楽しめる屋上のある家 - MY HOME STORY │スーモカウンター注文住宅
パントリーに続く動線をつくる
パントリーにつながる動線は、よく検討してつくろう。パントリーは、キッチンからだけでなく、玄関や勝手口からも出入りしやすくしておくと便利だ。
例えば、購入したストック品を玄関や勝手口からパントリーまで運んだり、一時的に置いておいたごみをパントリーから外に持ち出したりできる動線をつくるのがオススメ。リビングやダイニング、廊下などを経由せずに、ストック品やごみを持ち運べると無駄がなくて快適に感じるだろう。
また、車で買い物をすることが多い場合は、駐車スペースやガレージからパントリーまでのアクセスを考慮するとより使い勝手のいい動線が出来上がる。
この実例をもっと詳しく→動線設計がすごい35坪の平屋。LDKを中心にした土間収納・帰宅動線などで快適に。釣り・爬虫類飼育の趣味空間も充実
扉の開け閉めが不要なウォークインタイプの収納をつくる
日常的に開けたままにできる、ウォークインタイプの収納をつくろう。扉の開閉が不要なので両手がふさがっていても出入りできる点や、どこに何があるか一目で分かるので探し物もすぐに見つかる点が利点だ。
キッチンの近くならパントリーとして、ランドリールームの近くならクローゼットとして活用できるだろう。
扉がなくても中が見えにくい配置になっていれば、ごちゃついた感じにならないので問題ない。また、来客時にロールカーテンや引き戸を閉められると安心できる。
ウォークインクロゼットの他、玄関収納やパントリーもウォークインタイプなら扉を開け閉めせずに物を出し入れできる。設置の向きに工夫すれば、収納が丸見えになることもない。
この実例をもっと詳しく→シングルマザーが建てたスキップフロアのある平屋 家事がラクな空間で娘との時間を満喫
他にも家事動線をスムーズにする間取り・収納アイデアはたくさんあるので、実例をチェックしてほしい。
実例紹介*家事動線にこだわって大満足!という先輩たちの家を見てみよう
家事や子育てのしやすい間取り・収納を実現するには、自分たちにとっての「家事のしやすさ」を考えて提案できる会社を見つけることが重要。スーモカウンターを利用し、家事効率の面でも大満足の家を建てたケースを紹介しよう。
【Case1】回遊型キッチン・洗面・浴室が一列に並んだ間取りに
以前住んでいたマンションに収納が少なかったことなどがきっかけで家づくりを考えたSさん。間取りを考えるとき、収納量を確保することはもちろん、キッチンまわりの動線にも工夫しました。
キッチンはぐるりと一周できる回遊型にし、さらに洗面室、浴室へと一列に並んだ、家事動線抜群の間取りに。料理をしながら洗濯をするなど、家事の効率化、時間短縮を実現しました。
この実例をもっと詳しく→
「部屋ごと」と「集中」のたっぷり収納で、たくさんのモノとすっきり暮らす!
【Case2】玄関から洗面・脱衣所の間にファミリークロークを
共働きなので家事・育児のしやすい環境をと考えていたHさん。スーモカウンターで相談し、間取りや収納にこだわった設計ができる注文住宅を建てることに。
スムーズな家事動線を可能にする間取りのヒントは、ファミリークローク。玄関→LDKと、玄関→洗面・脱衣所の2方向の動線を設け、玄関→洗面・脱衣所の間にファミリークロークをつくりました。
「汚れた物はすぐに洗濯機に入れられるし、洗濯をした後もその場で畳んで片付けられるようになり、素早く整理整頓できるようになりました。手順が簡単なので夫も協力してくれるようになり助かっています」
この実例をもっと詳しく→
忙しい毎日に2WAY動線とファミリークロークが大活躍!
【Case3】浴室・ランドリーコーナー・物干しのすべてを2階に集約
料理以外の家事は夫も積極的に参加するというSさん。建て替えの間取りをプランニング中、洗濯動線を考えたときに浴室の場所が気になったそう。
「2階にランドリーコーナーをつくろうとすると、当初のプランで地下1階にあった浴室から、脱いだ衣服を2階の洗濯機に持っていくのが大変。思いきって浴室を2階に変えてもらい、廊下にパイプを設置してランドリーコーナーをつくってもらいました」
妻の希望は「使いやすいキッチンに」ということ。公園が眺められる気持ちのいいキッチンの背面の長いカウンターを設けたため「収納力があり使いやすくて便利です」
この実例をもっと詳しく→
居住スペースを広げるために地下室を活用、広々リビングを手に入れた
【Case4】カフェ風×家事ラク動線!おしゃれで快適な住まい
ケーキ職人同士の施主のご夫妻。2人とも一戸建てで育ち、自分の店をオープンする夢があったため、店舗兼用住宅に憧れていた。
消費税の増税をきっかけに本格的に家づくりを始めたものの知識がなく、検索して最初に出てきた「スーモカウンター」を利用することに。資金計画を相談した結果、新築と中古の両方で話を進めることになり、どちらも任せられる建築会社を4社紹介された。その結果、話の合う担当者のいる1社に決め、妻の実家近くの土地を見つけて新築住宅を建てた。
ケーキ屋の店舗を兼用した注文住宅では、キッチンに特にこだわったという。作業台と収納とカウンターの役割も兼ねた大きなダイニングテーブルは、配膳作業が不要な家事楽動線をつくり出している。大人も子どもも使いやすいので大満足している。
また、洗濯の家事動線もしっかり考慮。洗面室とつながるウォークインクローゼットには、バルコニーに出られるドアを設けたため、洗濯する・干す・しまうの作業がコンパクトな空間で完了する。
小さな子どもがいながら共働きなので、忙しい施主のご夫妻には料理も洗濯もしやすい家事動線が大活躍している。
この実例をもっと詳しく→
ふたりの夢の「ケーキ屋さん」を、兼用住宅建築からスタート!
この実例をもっと詳しく→
ふたりの夢の「ケーキ屋さん」を、兼用住宅建築からスタート!
【Case5】洗濯・片付けがラクになる家事動線の工夫
賃貸マンションに物足りなさを感じ、一戸建てで育ったいい思い出のある施主のご夫妻。注文住宅を建てるため、土地や建築会社を探し始めるも難航していた。状況を変えるため、第三者の提案をもらえるスーモカウンターを訪問。その結果、自分たちだけでは出合えなかった地域密着で実績も確かな建築会社に巡り合い、夢のマイホームが完成した。
デザインにも動線にもこだわった注文住宅。中でも、広いリビングがお気に入りだ。そのリビングに隣接する水回りには、料理も洗濯もしやすい家事楽動線が仕上がっている。2列型のキッチンはバーカウンターにもなり、ダイニングテーブルをつなげて置けるので、配膳も後片付けもスムーズに行える。ランドリールームを兼ねた洗面室は、脱衣室にも大きなファミリークローゼットにもつながっているので、効率よく洗濯が完了する。
この実例をもっと詳しく→
モダンインテリアが似合うデザインと家事ラク動線にこだわった家
この実例をもっと詳しく→
モダンインテリアが似合うデザインと家事ラク動線にこだわった家
【Case6】脱衣所・洗面所・収納がつながる便利な家事動線
20代で結婚してからずっと賃貸に住んでいたご夫妻は、40代後半になって、広い駐車場のある一戸建てを検討し始めた。老後資金を確保しつつ、住宅ローンが返済できる予算を独自で捻出。しかしまだ不安があったので、スーモカウンターに相談することにしたという。
的確なアドバイスをもらい、希望がかなう建築会社を紹介されたが、予算オーバーになってしまい、一度家づくりを断念してしまう。しかしその後、「一緒にコストダウンを考えましょう」と連絡をくれた建築会社に依頼して、注文住宅が完成した。
予算をクリアするため、最終的なプランにはこだわりも妥協も盛り込まれている。こだわりの1つは、共働き家庭にとっても家事のしやすい動線だ。浴室・洗面室・洗濯機・ウォークインクローゼットがまとまった空間になっているので、洗濯や掃除に時間がかからない。その結果、今までよりも住まいを大切にする丁寧な暮らしができているそうだ。
この実例をもっと詳しく→
40代後半で思い立った家づくり。広いガレージとキッチンを実現
この実例をもっと詳しく→
40代後半で思い立った家づくり。広いガレージとキッチンを実現
【Case7】ながら家事がはかどる!キッチン×回遊動線のある家
熊本地震をマンションの9階で経験し、大きな揺れを経験したため、子どもたちと安心して住めるよう地面に近い一戸建てを検討し始めた施主のご夫妻。家づくりといっても何から手を付けるべきか分からなかったところ、スーモカウンターを知り、すぐに面談へ。そこで紹介された4社の中から、予算やプラン、担当者の人柄で判断した1社に注文住宅を依頼した。
家族の思いを詰め込んで完成したマイホーム。妻のこだわりを反映して、水回りをつないだ家事動線は、小さな子ども2人を抱える家庭にはありがたい。洗面室は、玄関からもキッチンからもアクセスできる回遊動線になっている。さらに、室内物干しルームも合わせてつくったので、料理をしながら洗濯することもでき、家事に追われるストレスが軽減した。
この実例をもっと詳しく→
平屋のように暮らしやすく、家族に一体感がうまれる家
【Case8】子育て世帯が重視した動線とコスパのいい家
共働きで3人の子育て中の施主のご夫妻。賃貸の住まいが手狭になり、家賃よりも住宅ローンを選択しようと、新居の購入を決意した。マンションや建売住宅を内覧するも決め手がなく難航していたところ、希望のエリアで土地を見つけたため、注文住宅を建てることにしたという。
仕事も育児も忙しいご夫妻は、初めての家づくりを妥協することなく効率よく進めるため、スーモカウンターを利用。面談を重ねて自分たちの希望が明確になり、紹介された3社から厳選した地域密着型の工務店をパートナーにして、一戸建てが完成した。
こだわったのは、住宅性能と快適な動線。特に、自分たちの暮らしをイメージして完全自由設計した動線には満足している。玄関ホール→リビング→キッチン→水回り→玄関ホールとグルっと回遊できる動線で、家事の時間を短縮できる。また、家事動線がコンパクトに完結しているので、家の中がすっきりとゾーニングでき、大人も子どもも暮らしやすい環境が整っている。
この実例をもっと詳しく→
共働きで3人の子育て中。多忙な中での家づくりはタイパ&コスパを重視
この実例をもっと詳しく→
共働きで3人の子育て中。多忙な中での家づくりはタイパ&コスパを重視
【Case9】「洗う・干す・畳む」が最短動線で完結!ストレスゼロのランドリールーム
社宅で暮らしていた施主のご夫妻は、3人目が生まれてから手狭に感じるようになり、注文住宅を建てることを決意。住宅展示場ではどのメーカーが自分たちに合うのか判断しにくかったため、友人に勧められたスーモカウンターへ訪問することに。アドバイザーから客観的な意見をもらって6社の建築会社を紹介され、その結果、相性がよく信頼度の高い1社に決めた。
家づくりでは生活動線にこだわり、無駄のない回遊動線を意識。もともと玄関や水回りの狭さにストレスを感じていたため、特に家事動線をできるだけ短くすることで、それぞれの空間にゆとりを持たせられたとのこと。料理も洗濯もしやすい最短の家事動線と、5人家族でもスムーズに過ごせる生活動線が実現し、仲良く暮らしている。
この実例をもっと詳しく→
広々とした水まわり空間&玄関+家事ラクな回遊動線でゆったりと暮らしを楽しむ家
家事動線のいい家ならスーモカウンターに相談しよう
スーモカウンターは無料で相談でき、家事動線のいい間取りづくりに実績のある会社や家づくりの実例やそれぞれの地域に特化した情報が豊富なので、気軽に問い合わせてほしい。
アドバイザーは、相談者の要望に合わせて予算に合わせた会社選びなど提案をしている。初めての家づくりでなにからはじめてよいのか分からない人の相談にも多く乗っており、特定の建築会社やメーカーを売り込むことがないため、安心できるだろう。
スーモカウンターで家族の暮らしに合ったプランを提案できる建築会社を見つけ、大満足の家づくりを目指してみては。
<調査概要>
「注文住宅3年以内建築者調査」(リクルート調べ)
・調査協力:楽天インサイト
・調査実施:2022年8月
・調査方法:インターネット調査
・対象者:3年以内に注文住宅を建築した25歳~44歳の全国の男女
・有効回答数: 400名(うち、男性191名・女性209名)
取材・執筆/前川ミチコ、SUUMO編集部