人気の高い「北欧スタイルの家」ですが、北欧の家にはどんな特徴があるのでしょうか? 外観や内観、暖炉や薪ストーブ、サウナなど設備の面で北欧の家に見られる、快適で魅力的な家を建てるポイントについて、北欧スタイルの家を多く手掛けるシュガービレッジ SATO建設工業の佐藤宗孝さんに話を聞きました。
北欧の家とは?
北欧とはヨーロッパの北部地方のことで、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランドなどの国々が北欧にあたると言われています。この地域は夏が短く、冬が長いという厳しい自然環境のため、年間を通して家の中で過ごす時間が多く、自然と住宅の性能や設備、インテリアが発展してきました。
この北欧の家の機能性やデザイン性を日本の住宅にも取り入れたものが「北欧風の家」です。
「北欧の家は、有名な輸入住宅のようにかわいいイメージのものもありますが、どちらかと言うとシンプルなものがトレンドです。また、北欧では中古住宅市場が成熟しており、家は資産という考えが浸透しているため、できるだけ良い素材のものを使う傾向があります」(佐藤さん、以下同)
外観の特徴
外観の様式に大きな縛りはないものの、傾向としては2方向あると、佐藤さんは言います。
「古くからあって最もオーソドックスな北欧の家の外観は、大屋根の家です。しかし、最近ではキューブ型の家も増えています」
内観の特徴
北欧では冬が長いので、お家時間を楽しむ文化があり、そういった文化が住まいの内観にも影響を与えていると、佐藤さんは言います。
「家の中はシンプルで飽きのこないものが好まれます。色としてはアースカラーや白を基調としたものが多いですね。北欧は林業先進国と言われるほど林業が盛んです。そのため素材としての木の良さを認めつつ、木材は多用しますが、必ずしも木目を綺麗に出すことにはこだわりません。木を多用するからこそ着色して使うことも多いのが特徴です」
設備などの特徴
北欧の家の設備と言えば、サウナや暖炉を思い浮かべる人も多いでしょう。実際のところは、どうなのでしょうか?
「フィンランドでは家庭に1台、サウナがあります。また、暖炉や薪ストーブも北欧の家の代表的な設備です。しかし、暖炉は費用が高く高級住宅向けという印象。それよりは薪ストーブの方が一般的でしょう。
その他、全館暖房システムを使用して、家全体を温めることが多いですね」
北欧の家の外観で参考にしたいポイントは?
住宅の外観を検討する場合、北欧の家のどのような点を参考にすればいいのか、そのポイントを紹介します。
色づかい
「ベージュ、ブラウン、カーキなど自然色をイメージしたアースカラーの色づかいを取り入れるといいでしょう。落ち着いたマット系がおすすめです」
屋根
「前述の通り、大屋根にするか、キューブ型にするかの大きく分けて2方向あります。どちらかを採用するといいでしょう」
外壁
「日本で一般的な窯業系サイディングよりは、天然素材のものをおすすめします。板張りや塗り壁にすると、趣(おもむき)が増します」
窓
「北欧の家のサッシは、断熱性の高い木製か樹脂製のサッシがほとんどです。このどちらかを選ぶといいでしょう。また、北欧では外観上の窓の配置を重視するので、機能面だけでなく外からの見た目にもこだわってプランニングするのもポイントです」
玄関まわり
「玄関ドアは、重厚感のある木製のものがいいですね。本場北欧のメーカーのものを使うか、参考にするといいでしょう。ちなみに、シュガービレッジではスウェーデンの『スニッカルペール』というメーカーの木製の玄関ドアを使っています。
玄関まわりは、家の顔なので、質の良い天然素材のものを使うことをおすすめします」
外構
「北欧風にしたいなら、オープンな外構にすることです。家の前に芝を植えるケースも多いので、そういったところを参考にするといいでしょう」
ガーデニングを楽しむことで、自然とのつながりを感じながら、心地よい空間をつくり上げることができます。
庭やテラスに植物を植えたり、温かみのあるウッドデッキを取り入れたりすることで、外と内を一体化させたデザインが生まれます。自然の恵みを身近に感じながら、四季折々の風景を楽しむ北欧のライフスタイルを取り入れてみましょう。
北欧の家の内観で参考にしたいポイント
北欧と言えばシンプルで機能的なインテリアを連想する人も多いでしょう。建物の内装も含め、どのような点がポイントになるのか紹介します。
色づかい
「外観と同じく、アースカラーや白を基調としたシンプルな色づかいがおすすめです」
また北欧風インテリアはシンプルで落ち着いた色合いが基本ですが、アクセントとして色や柄を加えることで、空間に楽しさや個性をプラスできます。柔らかな色調の壁紙や、観葉植物を使ったナチュラルなグリーンを取り入れると、部屋全体が明るく生き生きとした雰囲気になります。
床
「代表的な北欧の家の床材はフローリングですが、合板ではなく無垢のものを使うのがポイントです」
内壁
「漆喰の塗り壁、白く着色した板張りなどにすると、北欧感が出ると思います」
キッチンまわり
「北欧では、キッチンにお金をかける傾向があり、ホームパーティーを開くことが多いので、オープンなキッチンが好まれます。L型の壁付けやアイランドキッチンなど、余裕を持ったキッチンスペースが理想です」
建具
「ドアなどの室内建具も無垢材がおすすめです。木目を出しても、着色してもいいでしょう」
家具
「白を基調としたシンプルなデザインのものがおすすめです。一方で、自然をモチーフにした柄物もかわいいものが多いので、ソファーカバーなどで採用すると雰囲気が出ます」
照明
「いわゆる蛍光灯を多用するのではなく、間接照明やスタンドライトの照明など、あたたかみのある照明を使うと、雰囲気が出ます」
北欧風の家にしたい方におすすめの間取りのアイデア【編集部監修】
北欧風の家にしたい方におすすめの間取りのアイデアは以下の5つです。
- リビング
- 吹抜け
- 大きく開放的な窓
- ヌック
- サンルーム
具体的にどのような間取りなのか、ここからは編集部が解説します。
リビング
北欧では、家族や友人が集う空間を重視します。広々としたシンプルなレイアウトに自然素材の家具や柔らかい色合いを取り入れ、温かな雰囲気を演出することで、居心地の良いリビングになります。
また、照明には調光機能のある間接照明を使うことで、柔らかな光を活かしたリラックスできる空間をつくり出せます。
吹抜け
吹抜けは薪ストーブと一緒に北欧の家でよく採用される間取りです。吹抜けを取り入れることで、天井が高くなり、開放感が高まります。また、高い位置にも窓を設置することができ、光が広範囲に届くため、部屋も明るくなります。
また、風通しが良くなり、部屋の空気が循環しやすくなる点も吹抜けをおすすめする理由の1つです。木材や自然素材を活かしたデザインは、北欧特有の温かみを感じさせ、家族が集うリビングやダイニングで心地よい時間を過ごせるでしょう。
吹抜けについて詳しくは→
「吹抜け」のあるこだわりの家づくり【実例付き】
大きく開放的な窓
北欧風の家には、大きく開放的な窓が欠かせません。自然光をたっぷり取り入れ、室内を明るく快適に保てるのが特徴です。特に冬が長い北欧では、限られた日照時間を最大限に活かすため、大きな窓が重宝されます。
また、外の風景を楽しむことで、室内にいながら自然とのつながりを感じられます。断熱性の高い窓を使用することで、冬でも暖かく、快適な環境を維持しつつ、外の景色を楽しめるのが魅力です。
また、前述の通り、窓は機能面だけでなく外観にもこだわって検討するとよいでしょう。
ヌック
ヌックは、部屋の一角にある小さなリラックススペースで、北欧風の家にはぴったりの間取りです。窓辺に設けることで、柔らかな自然光を感じながら読書や休息が楽しめます。人が集まる部屋に設けると、コンパクトながらも、家族とのつながりを感じながらプライベートな時間を過ごせる場所となります。
ヌックについて詳しくは→
ヌックって何? 居心地のいい隠れ家のある暮らしを楽しもう!
サンルーム
サンルームは、明るい日差しを感じながら、のんびりとした時間を過ごせる心地よい場所です。ガラス張りの壁や天井を採用し、外の景色や太陽の光を存分に取り入れることができます。日照時間の短い冬でも太陽の明るさを感じながら過ごせるのが魅力です。
植物を飾ったり、シンプルな家具を置いたりすることで、より自然に近い雰囲気を楽しめます。また、天候が悪い日には洗濯物を干す場所としても使えます。
サンルームについて詳しくは→
サンルームを注文住宅でおしゃれにつくるには?建築時のポイントや費用相場を解説
北欧の家に特徴的なインテリアや設備を導入するポイント
家全体を北欧風にするのではなく、部分的に北欧の家のテイストやインテリア、設備などを取り入れる際のポイントを紹介します。
部分的に北欧テイストを取り入れる際のポイント
「ポイントは、物を多く置かないことです。部屋の中は必要最低限の物だけにして、シンプルにすっきりさせること。その上で北欧風の家具やインテリア小物などを取り入れるといいでしょう」
北欧テイストと相性のいい他のテイストは?
「シンプルなヴィンテージ風の空間は、床や建具などの色使いをアースカラーや白にするだけで、北欧テイストと相性がよくなります」
暖炉・薪ストーブを導入するポイント
「暖炉は、建物と一体でつくる必要があり、維持するためのコストもかかるため、予算に余裕のある家でないと難しいというのが実情です。
導入しやすいのは薪ストーブですが、薪ストーブは置く場所に注意が必要です。リビングに置くケースが多いと思いますが、掃除のときなどに煤(すす)が出ます。北欧では土足で生活するため問題ないのですが、日本で導入するなら、土間に薪ストーブを置くようにすると、掃除がしやすく使いやすいのでおすすめです」
サウナを導入するには?
「サウナも建物と一緒に作るとなると大がかりなものになります。おすすめなのは、置き式のサウナです。今は100万円くらいで導入できるので、建物として作るよりも、置き式のものを購入して設置した方がリーズナブルです」
北欧風の家の実例を紹介!
ここでは、シュガービレッジ SATO建設工業が手掛けた北欧風の家の実例を紹介します。
【実例1】勾配天井の大きな吹抜けが印象的な家
リビングの勾配天井が気持ちのいい家です。天井の素材には無垢のパイン材の羽目板を採用しました。リビング階段も、この空間のアクセントになっています。土間リビングになっており、土間に薪ストーブを設置している点も特徴です。
【実例2】色、素材、インテリアが調和した北欧風リビング
スウェーデン製の大きな階段が映えるリビングです。無垢フローリングや漆喰の白壁、白い梁が北欧テイストを強調。落ち着いた色のソファやラグも、北欧テイストとマッチしています。
【実例3】薪ストーブの煙突がインテリアになっている家
玄関とリビングを間仕切り壁一枚で仕切ったリビングエントランスや、吹抜けに延びる薪ストーブの煙突がインテリアになっています。白とアースカラーを基調とした色づかいで、まさに北欧スタイルと言える住まいです。
【実例4】ホームパーティーも開ける広々としたキッチンのある家
L型キッチンのコーナー部分を斜めに広げ、A型にしたキッチンに、さらにキッチンと同じ高さの棚を設けて、コの字型にアレンジしました。本場北欧で人気のホームパーティーも気軽に開ける広さです。
北欧風の家を実現した先輩たちの実例を紹介!
スーモカウンターで、北欧風の家を実現した先輩たちの事例を紹介します。その人たちが、どんな点にこだわり、どんな住まいを実現したのか、実例を参考に学んでいきましょう。
【case1】落ち着いたトーンのアクセントクロスを使用した北欧ヴィンテージな家
住まいの耐久性に不安を感じ、新居購入を検討しはじめたAさんは、新居でも同居予定の母と一緒にスーモカウンターを訪れました。そこで、依頼先候補の会社を3社紹介してもらい、面談を経て依頼する1社を決定。
完成した新居は、北欧ヴィンテージがテーマです。どの部屋にも違う色のアクセントクロスを選び、遊び心がいっぱいです。カラーは違っても、少しくすんだトーンを選んで統一感を持たせ、落ち着きのある空間に仕上げました。
この実例をもっと詳しく→
インテリアのテーマは北欧ヴィンテージ。室内窓が開放的でオシャレな空間に
【case2】1・2階は北欧、地下は南仏、異なるテイストが楽しめる家
かつて祖母が住んでいた築40年の家で生活していたSさん家族。いつかは建て替えたいと、勉強のつもりでスーモカウンターを訪れました。そこでいろいろと勉強していくうちに、早めに建て替えるほうが得策だと考え、本格的に家づくりがスタート。スーモカウンターで紹介してもらった会社のうち1社と契約して、無事新居が完成しました。
実は夫は北欧スタイル、妻は南仏スタイルが好みと趣味が異なっていたSさん夫妻。1階と2階は夫の好みで北欧風に、地下1階は妻の好きなインテリアでまとめました。
この実例をもっと詳しく→
居住スペースを広げるために地下室を活用、広々リビングを手に入れた
【case3】北欧風を得意とする工務店と出会い、気持ちのいい家が完成
賃貸マンションに住んでいたNさんは、長女の小学校入学をきっかけに、マイホームを建てようと決意。スーモカウンターを訪れて、希望の予算を伝えて紹介された会社のうち1社が、北欧住宅を手がけている工務店でした。「北欧風もすてきだね」と夫婦そろって気に入って、とんとん拍子に話が進み、新居が完成。
白をベースにした、北欧風の内装がすてきな家になりました。特にお気に入りなのが、明るくて風通しのいいリビング。内壁は、消臭・調湿効果のある漆喰仕上げです。
この実例をもっと詳しく→
内装や設備まで、好きなものを詰め込んだ住まい
【case4】子どもが遊び回れるようなスペースを確保した北欧風の家
次男の誕生を機に家づくりを検討し始め、運命的な出合いの末、購入した土地に注文住宅を建築したKさん一家。まずはプロの話を聞きたいと家づくりの最初に訪れたスーモカウンターで紹介された中から、担当者の対応が良かった会社に依頼し、明るい白をベースとした北欧風の家を建てました。アクセントとしてブルーグレーの壁紙やタイルなどを用い、柔らかさや奥行きをプラス。広いスペースを確保し、子どもたちが思い切り遊べるようになっています。
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家族がゆるやかにつながり伸び伸び過ごせるスキップフロアのある家
北欧の家の良さを取り入れるためのポイントとは?
最後にあらためて佐藤さんに、北欧の家の良さを取り入れるためのポイントを聞きました。
「とにかく、シンプルを心掛けることが大事です。外観も内観もすべてシンプルに、物を多く置かないこと。そして、無垢材などなるべく本物の素材を使うことをおすすめします」
スーモカウンターに相談してみよう
「どうやって進めたらいいのかわからない」「北欧風の家が得意な建築会社はどうやって選べばいいの?」住まいづくりにあたって、このような思いを抱いているなら、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご要望をお聞きして、そのご要望をかなえてくれそうな依頼先を提案、紹介します。
無料の個別相談のほか、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりのダンドリや、会社選びのポイントなどが学べる無料の家づくり講座も利用できます。ぜひお問い合わせください。
取材・執筆/福富大介(りんかく)、SUUMO編集部(外構、色づかい、【編集部監修】北欧風の家にしたい方におすすめの間取りのアイデア)