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施主検査とは?チェックするべきポイントや持ち物を紹介【PDFチェックリスト付き】

施主検査とは?チェックするべきポイントや持ち物を紹介【PDFチェックリスト付き】

注文住宅を建てたときには、最後に施主が立ち会い仕上がりをチェックする「施主検査(せしゅけんさ)」がおこなわれます。施主検査とはどのようなものなのか、当日の持ち物やチェックすべきポイントなどを、さくら事務所のホームインスペクター友田雄俊さんに聞きました。

目次

施主検査とは?

施主とは

施主とは工事を工務店やハウスメーカーに発注した依頼主(建て主)を指します。

施主検査とは

「施主検査」とは、一戸建ての新築やリフォーム工事が予定通りにおこなわれたか、問題がないかを施主が直接確認する検査のことで、「内覧会」とも呼ばれます。

「工事が完了したら、まずは工務店やハウスメーカー自らが竣工検査をおこないます。その1週間ほど後に施主立ち会いのもと施主検査がおこなわれます」(友田さん/以下同)

施主検査はいつおこなわれる?

「万一不具合が発覚したときに補修する日数を確保するため、施主検査は最終的な引き渡し日の2週間以上前におこなわれるのが一般的です」

施主検査にかかる時間

「施主検査にかかる時間は家の広さなどにもよりますが、一般的には1〜2時間程度です」

施主検査にかかる時間を説明するイラスト

施主検査は引き渡し日の2週間以上前に、1〜2時間かけておこなわれるのが一般的(イラスト/杉崎アチャ)

竣工検査との違いは何?

竣工検査とは、工事がほぼ完了したタイミングで工務店やハウスメーカーの検査員や担当者がおこなう検査のことです。一方、施主検査は竣工検査の後に実施するもので、施主が主体となって検査します。いずれも住宅の品質や安全性を確保するために、必要なステップといえます。

竣工検査では、契約書や設計書通りに完成しているか、また設備機器が問題なく作動するか、傷や不具合がないかなど仕上がりの状態もチェックします。

状態によっては補修や器具の交換が必要になることもあるため、遅くとも引き渡しの2週間までにおこなわれることが一般的です。

竣工検査に施主が立ち会う場合は、内覧会と呼ばれることがありますが、ほぼ同じ意味で使われています。

施主検査でチェックすべきポイント

施主検査で施主がチェックすべきポイントは6つあります。

図面通りに施工されているか

施主検査では、計画通りに施工されているか、図面を見ながら確認していきます。具体的には選んだ壁紙や天井・床材の柄や色、材質はあっているか、ドアや建具、キッチンやトイレ、お風呂、洗面化粧台などの設備機器は間違っていないかなどをチェックします。

とくに工事中に計画を変更した箇所があれば、反映されているか確認しましょう。

傷やひび割れなどはないか

内外装や付帯設備などに汚れや傷、ひび割れなどが発生していないかもチェックします。

建具や設備などの動作に問題はないか

ドアや引き戸はもちろん、キッチンの扉や引き出しなど開閉できるものはすべて実際に開閉して確認します。

「棚や手すりなど固定されているものについても、ぐらつきがないかもチェックしましょう。食洗機や換気扇などの設備については、実際にスイッチを入れ動かしてみます」

お風呂や洗面所、キッチンなどで水がしっかり流れるか

お風呂や洗面所、キッチンの水を流して確認します。水量や水圧をチェックし、少ないもしくは弱いと感じたら、その旨を伝えます。

洗面所やキッチンの下部の開き戸を開けて、パッキンや配管から水漏れしていないかも確認しましょう。

懐中電灯やスマートフォンで明るくするとチェックしやすくなりますが、目視が難しい場合は、実際に手で触れて濡れていないか確認するとよいでしょう。

階段や床できしむ音がしないか

階段や床を踏み込むように歩き、「ミシミシ」「キシキシ」と木がきしむような音がしないか確認します。

「床鳴り」がする場合は、フローリングなど床材の下地やその下の構造部分に、施工不良や調整不足の箇所があると考えられます。

下地の調整や施工を仕直す場合、時間がかかる可能性があります。少しでも気になるようであれば後回しにせず、早めに相談しましょう。

屋外に問題はないか

屋内だけでなく、屋外も確認するのを忘れないようにしましょう。一戸建ての新築であれば、チェックすべき箇所は多岐にわたります。

確認すべきポイントをリストアップしておくことをおすすめします。特に重要なポイントは、以下の通りです。

  • 基礎のコンクリート部分にひび割れや欠け、表面に砂利が露出している箇所がないか
  • 外壁にひび割れや欠け、タイルの施工不良がないか
  • 隣地との境界に境界標があるか
  • 隣地へ越境している部分がないか、もしくは隣家から越境している箇所がないか
  • 外構工事が契約通り完了しているか
  • 雨どいがきちんと固定されているか

施主検査でのチェックポイントについてのイラスト

後悔しない施主検査にするためには隅々までチェックすることが大切(イラスト/杉崎アチャ)

施主検査当日におすすめの持ち物

施主検査当日に持って行くと良いものを紹介します。

図面

「設計時に工務店やハウスメーカーから提出された図面は必ず持参しましょう。気になる箇所を直接図面に書き込めるよう、コピーしたものを持って行くのがおすすめです」

筆記用具

図面に書き込むための筆記用具も必要です。

「図面やチェックシートに書き込む筆記用具は、0.5ミリのシャープペンシルを1本用意しておくのがおすすめです。基礎や外壁などにひび割れがあったときに芯を差し込んでみて、基本的に修繕が必要とされる0.5ミリ以上あるかを確認する際に役立ちます。

なお、ひび割れが0.5ミリ未満の場合、どの程度なら修繕対象とみなすかは施工会社によって異なります。気になる場合は、施工会社に修繕してもらえるか相談してみるとよいでしょう」

スケール(メジャー・巻き尺)

図面通りの寸法になっているかチェックするときに利用します。5メートル程度のものを用意しましょう。100円ショップなどでも購入できます。

水平器

床などの水平が取れているかは水平器で確認します。100円ショップなどでも購入できますが、スマホアプリもあるのでそちらでも代用できます。

「ただしスマホアプリの場合、あくまでもスマホの大きさの範囲でしか水平を確認できない点には注意が必要です」

マスキングテープ

気になる箇所には、壁紙などの表面を傷めないような、粘着が弱いタイプのマスキングテープを貼ると跡が残りにくいので便利です。壁紙の色と同化しない目立つ色を選びましょう。

「粘着力が強いものもあるので、あらかじめ施工会社に依頼して適切なタイプを用意してもらってもよいでしょう」

スマートフォンと充電器

マスキングテープで印を付けた箇所を撮影するのに使います。充電器もセットで持って行くと、コンセントに電気が来ているかを確認するのに役立ちます。

手鏡

屋根裏や床下を奥までのぞき込むときに使用します。スマートフォンのカメラで代用してもいいでしょう。

懐中電灯

暗い床下や屋根裏を、奥までのぞき込むときに使用します。スマートフォンでも代用できます。

飲みものや防寒着(季節による)・スリッパ

「施主検査をするときにはまだ冷暖房器具は付いていないため、季節によっては暑さ寒さ対策を考えておくことも大切です。夏なら飲みものを、冬なら上着などを用意しておくと、快適に施主検査を進められます」

施主検査では、工務店やハウスメーカーがスリッパを用意していることが多いものの、小さな子どもにとっては歩きにくい可能性があります。階段の上り下りがあり、所要時間が1〜2時間程度になることを考えると、履きなれたものを用意しておくと安心でしょう。

施主検査当日の持ち物チェックリストのイラスト

当日慌てないよう、事前に用意しておこう(イラスト/杉崎アチャ)

見落としを防ぐための施主検査チェックリストと議事録【ダウンロードできるPDF付き】

施主検査でチェックすべき項目を場所別に紹介します。施主検査当日にプリントアウトしてそのまま使えるチェックリストと議事録も用意したので、ぜひ活用してください。

施主検査チェックリストと議事録(PDF)のダウンロードはこちらから

リビング・ダイニング・個室・廊下

箇所 チェックポイント
傷やへこみ、汚れはないか
歩いたときに床鳴りや沈みはないか
傾きはないか(立ったときに違和感はないか
床暖房は正常に動作するか
傷やへこみ、剥がれ、浮き、汚れ、しみはないか
壁紙同士の継ぎ目に隙間はないか
巾木は取り付けられているか
天井 傷やへこみ、剥がれ、浮き、汚れ、しみはないか
壁紙同士の継ぎ目に隙間はないか
ドア・建具 正しく取り付けられ、開閉はスムーズか
窓・サッシ 開閉はスムーズか(異音がしないか)
鍵・防犯ロックはスムーズに動作するか
コンセント・スイッチ 位置や数は正しいか
照明 点灯するか
位置や数は正しいか
インターネット回線 設置場所は正しいか
火災報知器 図面通りに取り付けられているか

キッチン・お風呂・洗面所・トイレ

傷やへこみ、汚れはないか
歩いたときに床鳴りや沈みはないか
傾きはないか
傷やへこみ、剥がれ、浮き、汚れ、しみはないか
壁紙同士の継ぎ目に隙間はないか
巾木は取り付けられているか
天井 傷やへこみ、汚れはないか
ドア・建具 正しく取り付けられ、開閉はスムーズか
キッチン 水は流れるか
排水は正常か
扉や引き出しはスムーズに開閉するか
観音開きの扉は左右にずれがないか
食洗機など付属設備は正常に動作するか
換気扇は正常に動くか、異音はしないか

化粧洗面台

水は流れるか
排水は正常か
扉や引き出しはスムーズに開閉するか
観音開きの扉は左右にずれがないか
お風呂 水は流れるか
排水は正常か
浴室乾燥機は正常に動くか、異音はしないか
換気扇は正常に動くか、異音はしないか
トイレ 水は流れるか
排水は正常か
換気扇は正常に動くか、異音はしないか
窓・サッシ 開閉はスムーズか
異音がしないか
鍵・防犯ロックはスムーズに動作するか
コンセント・スイッチ 位置や数は正しいか
照明 点灯するか
その他 タオルリングやペーパーホルダーは付いているか
火災報知器が付いているか

廊下・階段

廊下 床に傷やへこみ、汚れはないか
歩いたときに床鳴りや沈みはないか
壁や天井に傷やへこみ、汚れはないか
手すりは正しい位置に取り付けられ、しっかり固定されているか
階段 踏み板や蹴上げに傷やへこみ、汚れはないか
歩いたときにきしまないか
手すりは正しい位置に取り付けられ、しっかり固定されているか

テラス・バルコニー

ひび割れや欠けはないか
防水はされているか
排水はスムーズか(施工会社に確認)
カビは発生していないか(カビくさくないか)
ひび割れや欠けはないか
手すりはきちんと固定されているか
物干し金物は固定され、スムーズに動作するか

屋根裏・床下

屋根裏 見える範囲で水漏れやしみはないか
断熱材に剥がれや隙間はないか
配線・配管に異常はないか
カビは発生していないか(カビくさくないか)
床下 見える範囲で水漏れやしみはないか
床下の基礎にひび割れはないか
配線・配管に異常はないか
木くずやゴミは散乱していないか
カビは発生していないか(カビくさくないか)

外装

基礎 0.5ミリ以上の大きなひび割れはないか
外壁 ひび割れや欠け、ずれはないか
継ぎ目はすべてシーリングされているか、隙間はないか
屋根材 ひび割れや欠け、ずれはないか
軒天 傷や汚れ、ひび割れはないか
雨どい 図面通りに設置され固定されているか
割れていないか
玄関 ドアは正しく取り付けられ、開閉はスムーズか
玄関ポーチのタイルや目地に浮きや割れ、欠けはないか
コンセント・スイッチ 位置や数は正しいか
照明 点灯するか
立水栓 水は出るか

外構

門扉 開閉の向きは正しいか、スムーズに開くか
門灯・庭灯 正しい位置に取り付けられているか、点灯するか
ポスト・郵便受け 正しい位置に取り付けられているか
ウッドデッキ 傷や汚れ、ひび割れはないか
図面通りに設置され固定されているか
境界標 見える位置にあるか
排水ます 詰まりはないか

※外構を別の施工会社に依頼している場合は施主検査には含まれません。

議事録

チェックシートとあわせ、当日の担当者の名前や取り決めを記録して残す議事録も用意しましょう。建築会社の承諾を得たうえで、当日の様子を録画・録音しておくと、いざというときに証拠として提出できるので安心です。

「施主検査後に『言った、言わない』でもめないよう、修繕完了日や施主検査当日のやりとりについて書面に残しておくことが大切です。

工務店やハウスメーカーが書類を準備してくれることもありますが、ない場合には施主が作成し提出しておくとトラブルを防ぎやすくなります」

チェックリストをダウンロードする(PDF)

新築の施主検査で後悔しないためのポイントと注意点

施主検査で後悔しないために押さえておきたいポイントと注意点を紹介します。

施主検査の立ち会い者が誰なのか事前に確認しておく

施主検査に立ち会う人が誰になるのか、事前に確認しておきましょう。今まで打ち合わせをしてきた担当者が立ち会う場合もあれば、今まで会ったことがない検査員が同行することもあります。

当日チェックした内容がきちんと伝わらないと、引き渡し時までに修繕してもらえないことがあります。担当者の同行や建築士の立ち会いを希望する場合は、施主検査の日取りを決める際に伝えておくようにします。

明るい時間帯におこなう

施主検査をおこなうときには、吊り下げ式の照明などはまだ取り付けられていないことがほとんどです。また暗くなると外装や外構の確認が難しくなるため、施主検査は明るい時間帯を希望しましょう。

家族で参加する

施主検査は家族で参加すると、それぞれ違った視点で確認できます。例えばキッチンは実際に使うことが多い人がチェックしたほうが、違和感に気づきやすくなります。

家具が置かれた状況をイメージしてチェックする

「施主検査をおこなうときには、実際に暮らしている視点でチェックすることも大切です。

例えば寝室ではベッドに横になるので、実際に生活を始めると天井が気になるものです。リビングでもソファや椅子に座ることが多いため、立ったままだけではなく低い姿勢もとってチェックするのがおすすめです」

気になる箇所は写真を撮影しておく

気になる箇所はマスキングテープで印をし、さらに写真を撮っておきます。

「あとで見たときにどこだか分からなくなってしまわないよう、アップだけでなく、少し引いてどの部屋のどの場所か分かる写真も撮りましょう」

気になる箇所を写真で撮影しているイラスト

引いた写真を撮るときにはどの部屋か分かるものが一緒に映り込むようにするといい(イラスト/杉崎アチャ)

気になることはその場で建設会社に伝える

施主検査で違和感を覚えたことや、これでいいのか分からないことは、当日その場で質問しましょう。傷や汚れなど直してほしい箇所は「修繕を依頼したい」とはっきり伝えます。

指摘箇所の修繕完了日を確認する

指摘した箇所については、修繕完了日を確認しておくことも大切です。施主検査のチェックシートをコピーし、議事録とあわせて担当者に提出しておきましょう。

修繕がある場合には施主検査のやり直し(再検査・再内覧)を要望する

修繕が必要な箇所があった場合には、手直ししたあとに施主検査のやり直しを要望しましょう。

「工期に余裕がないときには、引き渡しを優先したいと言われることもあります。引き渡しは修繕を確認してからおこないたい場合には、そのように明確に伝えることが大切です」

不安な場合はホームインスペクターに同行を依頼する

「自分たちで施主検査をするのが不安」「プロの視点で見てほしい」といったときには、ホームインスペクターに同行を依頼するのもおすすめです。

ホームインスペクターとは、住宅の欠陥などを見極める、住宅に精通した専門家を指します。施主検査に立ち会ってもらうと、第三者として中立的な立場でチェックしてもらえるので安心感を得られます。

「ホームインスペクターの同行を希望するときには、施主検査の日程が決まるまでに工務店やハウスメーカーに伝えておきましょう」

施主検査のよくあるトラブルとは?

天候によっては工事が遅れ、想定よりも工事の完了が遅くなることがあります。

工事が未完の状態で施主検査をすると、契約や設計通りに工事されたかが確認できず、後々トラブルになるおそれがあります。必ず工事が完了された状態で実施しましょう。

また施工不良のように感じる箇所があったらその場で指摘し、補修が可能なのか、このままの引き渡しになるのか確認するようにします。

工務店やハウスメーカーにとっては当たり前の施工方法や仕上がりだとしても、そのまま引き渡されてしまうと、不安や不満を感じることになるでしょう。そのままの状態となる場合は、納得できるように説明してもらうようにしてください。

施主検査をおこなうときのポイントは?

最後に友田さんに施主検査を受けるときのポイントを聞きました。

「注文住宅の引き渡しを受けることは『この工事にすべて納得しました』と宣言するに等しい行為です。原則として、施主検査後に発覚したものは無償で変更してもらえないものと考えてしっかり確認し、施主検査の時点で疑問や問題はすべて解消しておくことが大切です。工務店や担当者が気分を害さないか、クレームと思われるのではないかなどと気にせず、気になることはきちんと質問し、納得できずに修繕してほしいことはその場できちんと伝えましょう。

また、家は完成して終わりではなく、その後何十年も長く住み続けるものです。今の状況をチェックするのとあわせ、今後どのようにメンテナンスしていけばいいのかも、施主検査の際に確認することをおすすめします」

スーモカウンターに相談してみよう

「家づくりをどうやって進めたらいいのか分からない」「施主として心掛けておくべきことは?」など、住まいづくりにあたって不安を抱いているなら、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご要望をお聞きして、そのご要望をかなえてくれそうな依頼先を提案、紹介します。 

無料の個別相談のほか、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりのダンドリや、会社選びのポイントなどが学べる無料の家づくり講座も利用できます。ぜひお問い合せください。

イラスト/杉崎アチャ

取材協力/友田雄俊さん
さくら事務所・ホームインスペクター
取材・執筆/佐藤カイ(りんかく)、SUUMO編集部
取材協力/友田雄俊さん
さくら事務所・ホームインスペクター
取材・執筆/佐藤カイ(りんかく)