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東京都で注文住宅を建てるときの費用相場や土地の選び方を解説!補助金も!

東京都で注文住宅を建てることを考える場合、土地価格の高騰や建築資材の値上がりなど、家づくりを取り巻く環境は年々変化しています。理想の住まいを実現するためには、予算計画をしっかり立てていくことが重要です。

本記事では、23区内や多摩地域など、エリアごとの最新の土地相場から、建築費用の目安、注文住宅を建てる際に押さえておくべきポイントを詳しく解説します。さらに、東京都や各市区町村が実施している住宅関連の補助金制度も紹介するので、マイホーム建築を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

東京都で注文住宅を建てるときの費用相場は?

【フラット35】利用者調査(2023年度)の「地域別都道県別主要指標」をもとに、東京都で注文住宅を建てるときの費用相場を紹介します。

注文住宅の建設のみの場合と、土地を購入して注文住宅を建てた場合(土地付き注文住宅)では費用相場が異なるため、それぞれ紹介します。

注文住宅の費用相場

東京都で土地代を含まない注文住宅を建てるときの建築費用相場は4,622万円です。全国の平均費用相場3,861万円と比較すると、東京都の費用相場は平均よりも760万円以上高い傾向にあります。

土地付き注文住宅の費用相場

東京都で土地付き注文住宅を建てるときの費用相場は、建築費用3,296万円、土地取得費用3,825万円で、合計すると7,121万円です。一方、全国の平均費用相場は建築費用が3,406万円、土地取得費用1,498万円で、合計すると4,904万円となり、東京と全国の費用相場には約2,200万円もの開きがあります。

東京都は土地取得費が高いため、土地の購入と同時に注文住宅を建築する場合、建築費用を抑える傾向にあることが分かります。

  東京都 全国
注文住宅 4,622万円(建築費) 3,861万円(建築費)
土地付き注文住宅 7,121万円(建築費、土地取得費) 4,904万円(建築費、土地取得費)

東京都の住宅の平均敷地面積は?

【フラット35】利用者調査(2023年度)によると、東京都の注文住宅の敷地面積相場は148.6m2で、土地付き注文住宅の場合は122m2になります。

全国の平均敷地面積は注文住宅が334.5m2、土地付き注文住宅が249.9m2なので、東京都は全国平均と比較すると敷地面積が狭い傾向にあります。

  東京都 全国
注文住宅の敷地面積 148.6m2 334.5m2
土地付き注文住宅の敷地面積 122m2 249.9m2

エリアごとの土地の価格は? 平均坪単価を紹介

東京都の土地の価格はどれくらいなのでしょうか? エリアごとの坪単価を紹介します。

※2025年1月時点のデータです。
※表示している相場価格は「SUUMO」の過去・現在の掲載情報をもとに、独自のロジックによって算出しています。
※表示している相場価格は住居専用以外の用途地域(商業地域や工業地域など)も含めた情報をもとに算出しています。
※土地の価格は用途地域・古家の有無・前道の幅・土地の形状などさまざまな要素の影響で変動する可能性があります。
※都市計画法による用途地域により、同じ条件でも相場が異なることがあります。

最新の土地価格相場はこちら→
東京都の市区から土地価格相場情報を探す

都心部(都心6区)

千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区から成る都心部エリア。エリアの平均坪単価は748.9万円/坪です。(1坪=3.3m2、2025年1月時点)

エリア 坪単価
千代田区 955.1万円
中央区 741.1万円
港区 1,186.6万円
新宿区 378.1万円
文京区 507.2万円
渋谷区 725.4万円

23区東部

台東区、墨田区、江東区、荒川区、足立区、葛飾区、江戸川区から成る23区東部。エリアの平均坪単価は233.2万円/坪です。

エリア 坪単価
台東区 392.9万円
墨田区 256.1万円
江東区 290.1万円
荒川区 225.9万円
足立区 139.8万円
葛飾区 159万円
江戸川区 169.1万円

23区南部

品川区、目黒区、大田区、世田谷区から成る23区南部。エリアの平均坪単価は346.9万円/坪です。

エリア 坪単価
品川区 408万円
目黒区 415.9万円
大田区 256.1万円
世田谷区 307.7万円

23区西部

中野区、杉並区、練馬区から成る23区西部。エリアの平均坪単価は231.7万円/坪です。

エリア 坪単価
中野区 264.6万円
杉並区 246.5万円
練馬区 184.1万円

23区北部

豊島区、北区、板橋区から成る23区北部。エリアの平均坪単価は266.3万円/坪です。

エリア 坪単価
豊島区 346.9万円
北区 252.2万円
板橋区 200万円

都下

八王子市や立川市をはじめとする39の市町村からなる都下エリア。市区町村によって平均坪単価にバラつきがあるのが特徴です。
以下は、都下エリアの一部の市の平均坪単価になります。

エリア 坪単価
八王子市 48.3万円
立川市 106.8万円
武蔵野市 251.1万円
三鷹市 163.7万円
青梅市 34.5万円

東京都で家を建てるときに知っておきたい建築制限や規制は?

家を建てるときには、地域ごとに定められた都市計画や規制に合った建物を建てなくてはなりません。ここでは、家を建てるときに知っておきたい建築制限や規制を紹介します。

最低敷地面積

最低敷地面積とは、都市計画法および建築基準法に基づいて各自治体が定める建築制限のことです。正式な名称は「敷地面積の最低限度」といいます。

東京都では、小規模な住宅が乱立することを防ぐために敷地の最低限度面積を定めている地域がいくつかあります。世田谷区、杉並区、中野区、板橋区、荒川区などがそれにあたります。

土地を分筆する際は、定められた最低敷地面積未満に分筆ができません。例えば、最低敷地面積を60m2と定める市区町村においては、120m2の土地を60m2と60m2に分けて住宅を建てることが可能です。しかし、100m2の土地を50m2と50m2に分けて住宅を建てることは許可されていないのです」(佐川さん、以下同)

最低敷地面積の有無は、自治体のホームページや不動産会社に確認することで調べることができます。

最低敷地面積が60m平米と定められている地域の例(イラスト)

小規模住宅が密集することを避けるために最低敷地面積を設けている自治体もある。土地を購入する際は要注意(イラスト/村林タカノブ)

角敷地の建築制限(すみ切り)

東京都では、東京都建築安全条例によって角敷地の建築制限が定められています。通称『すみ切り』ともいいます。簡単に説明すると、道路幅が6m未満の場合、土地の角を切り取って自動車や通行者が曲がり角を通りやすくしたり、見通しを良好にしなくてはいけないという決まりです」

すみ切りした部分は車や人が通行できるように整備しなくてはいけません。そのため原則として塀や門扉などを建築できないので注意しましょう。
また、道路の形状や地区計画によっては安全条例の規定に関わらず、すみ切りの整備を要求される場合もあります。

足立区のすみ切りの規定内容のイラスト

足立区のすみ切りの規定内容。自治体によって内容は多少異なる(画像参考/足立区 イラスト/村林タカノブ)

第一種低層住居専用地域の制限

用途地域ではいくつかの規制によって建築物の高さが制限されています。特に第一種低層住居専用地域には住環境を守るために自治体によって厳しい建築制限があります。建物の絶対高さ、道路斜線、北側斜線などの制限が定められています。家を建てる前に必ず調べておくことが大切です。

「用途地域の制限は東京都に限らず全国的に存在しますが、東京都の場合はほかの地域と比較して土地面積が狭いため、建築の際の自由度が低くなる傾向にあります。第一種低層住居専用地域に家を建てる場合、間取りや外観などに影響するので設計者とよく相談しながら家づくりを行いましょう」

第一種低層住居専用地域についてもっと詳しく→
第一種低層住居専用地域とは?3階建ては建てられる?建蔽率(建ぺい率)や高さ制限についても知ろう

家の模型の写真

高さ制限や斜線制限は、地域の景観保全や防災のために必要(画像/PIXTA)

新たな防火規制区域

「新たな防火規制区域」とは、東京都建築安全条例によって指定された、震災時に発生する火災等による危険性が高い区域のことで、新防火地域(区域)とも呼ばれます。

木造密集地の災害時の安全性を確保するために、道路などの基盤整備や不燃建築物への建て替え助成など、さまざまな施策を推進しています。

新たな防火規制区域についてもっと詳しく→
防火地域や準防火地域って何? 家を建てるときの制限をわかりやすく解説

火災のイメージ

木造密集地では大火災になるリスクが大きいため、厳しい防火規制を敷く必要がある(画像/PIXTA)

東京都で注文住宅を建てるときに使える補助金(2025年度版)

注文住宅では、補助金や助成金を活用すると、家づくりにかかる総費用を抑えられるでしょう。補助金には、国が実施している制度の他に、東京都が独自で実施している補助金制度もあります。

ここでは、東京都で注文住宅を建てるときに使える補助金を解説します。

戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業

「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業」は、戸建住宅のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化を支援する全国対象の国の補助金制度で、住宅の年間の一次エネルギー消費量を実質ゼロにすることを目指す取り組みです。

戸建住宅のZEHとは、断熱性能の向上や高効率設備、再生可能エネルギーの活用により、年間の一次エネルギー消費量をゼロまたはマイナスにすることを目指した省エネルギー住宅のことです。

補助金額はZEH住宅の種類により異なり、ZEH住宅の場合は定額で55万円/戸、ZEH+住宅の場合では、100〜125万円/戸が交付されます。

申請は、ZEHビルダー・プランナー登録を受けた事業者を通じて行う必要があり、着工前の申請が原則です。補助金の交付は先着順で、予算に達し次第終了となるため、計画的に進めていく必要があります。

給湯省エネ2025事業

「給湯省エネ2025事業」は、家庭での給湯に伴うエネルギー消費と二酸化炭素(CO2)排出量の削減を目指す、全国対象の国の補助金制度です。高効率な給湯設備への買い替えを促進することで、省エネルギー化と地球温暖化対策の推進を図ることを目的としています。

補助対象となる給湯設備は、高効率給湯器(エコジョーズ)、ヒートポンプ給湯器(エコキュート)、ハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池(エネファーム)などです。補助金額は、機器の種類や性能によって異なり、1台につき6〜20万円が交付されます。

申請手続きは、対象製品を取り扱う事業者(製造事業者や販売事業者など)が代行して行い、直接自分で申請する必要はありません。ただし、予算には限りがあるため、早めの申請がおすすめです。

子育てグリーン住宅支援事業

「子育てグリーン住宅支援事業」は、子育て世帯の住宅取得を支援する、全国対象の国の補助金制度です。18歳未満の子どもを養育する世帯が、省エネ性能の高い住宅を新築・購入する際に、最大160万円の補助金が受けられます。

補助金の対象となるためには、住宅の省エネ性能がZEH水準相当以上であることが必要です。対象となる住宅は、GX志向型住宅、長期優良住宅、ZEH水準住宅の3つです。

求められる性能は住宅の種類にもよりますが、断熱等級5以上、一次エネルギー消費量等級6以上などの基準を満たさなくてはなりません。また、長期優良住宅とZEH水準住宅で補助金交付を受ける場合は、申請時点で18歳未満の子どもがいることも要件となっています。

東京ゼロエミ住宅(東京都独自)

東京都は「東京ゼロエミ住宅」を新築した建築主を対象に、住宅の水準に応じて1戸当たり40万〜240万円の助成を実施しています。

東京ゼロエミ住宅とは高断熱性能の断熱材や、省エネ性能が高い照明やエアコンなどを取り入れた東京都独自の住宅のこと。東京都は2050年までに世界のCO2排出量ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」の実現を目指し、2030年までに温室効果ガスの排出量を50%削減(2000年比)することを表明しました。その取り組みの一つとして、東京ゼロエミ住宅の普及を推進しています。

建築中の家の写真

高断熱性能の家は光熱費を節約でき、地球環境にも優しい(画像/PIXTA)

災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業(東京都独自)

「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」は、省エネ性・災害対策や健康面で優れた住宅の普及を目的として東京都が実施している制度です。新築住宅で対象となるのは、蓄電池、太陽光発電設備、太陽熱利用システム、地中熱利用システム、エコキュート・ハイブリッド給湯器設置をした場合です。

補助額は設置するシステムによって異なり、1戸当たり12〜180万円の補助金が受け取れます。また、戸建て住宅では、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)に蓄えた電力を家庭に供給するシステム、V2Hを設置した場合も対象になるのが特徴です。

補助金を利用する場合には、設置前に事前申し込みが必要なので、活用したい旨を建築会社に相談しましょう。

エネファームの写真

「エネファーム」という名称は、エネルギーをつくる農場(ファーム)に由来する。水素と酸素でエネルギーをつくることができる(画像/PIXTA)

東京都個人住宅利子補給助成制度(東京都独自)

東京都の木造住宅密集地域において、自己資金だけでは建て替えが困難な人を対象に、金融機関からの借入金に対する利子補給事業を実施しています。現在住んでいる家を、耐火または準耐火構造の住宅に建て替える場合、10年間は利用者負担利率が1%(金利が1%未満の場合は当該金利)低利になるのが特徴です。

該当地域は、東京都都市整備局のウェブサイトでチェックできます。

解体中の家の写真

木造住宅密集地域内における防災リスク緩和のための制度(画像/PIXTA)

東京都が実施する住宅補助金制度の一部を紹介しましたが、このほかにも市区町村ごとでさまざまな補助、助成を行っています。また、国が実施するZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)関連補助金を活用することも可能です。

建てたい土地や家が補助の対象に当てはまるか知りたい場合は、不動産会社や建築会社の担当者に確認してみましょう。

東京都で注文住宅を建てるときのポイントは?

東京都で注文住宅を建てる際には、高騰する地価と建築費用のバランスを慎重に検討する必要があります。そのためのポイントをいくつか見ていきましょう。

建築費用と土地代のバランスを考える

東京23区内で注文住宅を建てるときは土地代が高くなる傾向にあります。そのため、建築費用を抑えるなどして双方のバランスを考えながら資金計画を立てることがポイントです。

「旗竿地や傾斜地など特殊な形状の土地は、正方形や長方形の整形地に比べて土地代が安い傾向にあります。住み心地のよい家にするためには設計の工夫が必要ですが、土地代を少しでも抑えたいときにこういった特殊な土地を選んで家を建てるケースも考えられます」

コストのバランスのイメージイラスト

土地の価格が高いエリアでは、建築費用と土地代のバランスを調整することがポイント(イラスト/村林タカノブ)

住宅が密集する狭い土地では設計の工夫が必要

東京都の中でも特に23区内は住宅が密集する狭小地が多いため、上下の空間を活かして3階建てにしたり、地下室を設ける住宅も多く見受けられます。

「住宅密集地にコンパクトな家を建てる場合、第一に、日当たりや風通しを考えた設計が必要です。日当たりが心配な土地であれば、トップライトや中庭を設けて自然光が入るように工夫し、風通しをよくするために窓の位置にも考慮が求められます。光が入りやすい2階部分に明るいリビングを設ける間取りや、勾配天井や吹抜け、あるいは大きな開口部で開放感を出す手法もおすすめです。

また、窓を設けるときは、隣家や道路から見えないように位置を工夫することも大切です。採光や風通しと同時に、プライバシーのことも意識した設計もポイントになります」

天窓の写真

住宅密集地では採光計画を工夫することが大切(画像/PIXTA)

限られたスペースを有効活用して機能的な家に

限られた面積の中で家づくりをするときは、スペースをいかに有効活用できるかが肝になります。縦の空間を上手く利用してスキップフロアやロフトをつくったり、小上がりスペースの下を収納庫として活用したり、工夫次第で暮らしが機能的になり、使いやすい家になります。

ロフトにのぼる子どもの写真

限られた空間を最大限に有効活用して、家族が暮らしやすい住まいに(画像/PIXTA)

駐車場をつくりたい場合はインナーガレージを

駐車場をつくる面積の余裕がなくても、3階建ての1階部分をインナーガレージ(ビルトインガレージ)にする方法があります。インナーガレージは容積率の緩和を受けることができ、延床面積に対し5分の1までの広さであれば建築基準法では床面積には含まれません。そのため固定資産税の負担を軽減することができるのです。ガレージの仕様によっては例外もあるため、設計時によく確認しましょう。

「インナーガレージは便利な設備ですが、1階部分に大きな空洞ができるため、通常の住宅と比較すると耐震性が低くなる可能性があります。メリットだけでなくデメリットも把握した上で対策を立て、取り入れるようにしましょう。

また、自家用車を持たないという選択肢もあります。東京都はカーシェアリングやレンタカーのサービスが充実しているエリアなので、自家用車を持たなくても生活することは可能です」

インナーガレージについてもっと詳しく→
インナーガレージのある家を建てたい!建築時のポイントを徹底解説

インナーガレージのイラスト

雨に濡れずに車に乗り降りできることや、駐車場代がかからない点などインナーガレージのメリットは多い(イラスト/村林タカノブ)

4m未満の道路に接している土地はセットバックが必要

建築基準法により、家の敷地に接する道路の幅が4m未満の場合、道路の中心から2mの位置まで敷地を後退させる「セットバック」を行うことが義務付けられています。

東京都の木造密集地などには、幅4m未満の路地裏道路が存在します。この道路に接している土地に家を新築する際は、セットバックが必要です。セットバックを行うことで道幅が広がり緊急車両が入りやすくなったり、火災が起きた際に燃え広がるリスクを減らすことができます」

セットバックについてもっと詳しく→
セットバックって何? 土地探しや一戸建て建築で知っておきたいQ&A

セットバックのイラスト

セットバックが必要な土地では、自分が希望する広さの家が建てられるかを事前に確認したほうがよい(イラスト/村林タカノブ)

23区外では広い土地を見つけやすい

都下エリアは23区内と比較して地価が安く、広い土地が手に入りやすい傾向にあります。都心部に出るまでの移動時間や距離を許容できるならば、都下エリアで土地代を抑えて広めの家を建てるという選択肢も。

場所によっては、車がないと不便だったりバスが主な交通手段になる場合もあります。住む場所を探すときは実際に足を運んでリサーチしてみるとエリアの特徴を把握しやすくなります。

都下エリアの風景

都下エリアでは土地の選択肢も広がる。山や大規模な公園など自然環境が豊かなため、のびのび暮らしたいという希望もかなえやすい(画像/PIXTA)

ハザードマップや地盤を確認する

「土地を探す際は、必ずハザードマップを確認しましょう。東京都では、河川や海など水辺が近い地域は水害リスクが高い傾向にあります」

多くの自治体ではWEBでハザードマップが閲覧できます。国土交通省のハザードマップポータルサイトでも住所から情報を検索することができます。
また、ジャパンホームシールドが運営する「地盤サポートマップ」では地盤の強さを調べることができます。

ハザードマップや地盤マップについてもっと詳しく→
地盤地図、ハザードマップとは。家を建てる前に知っておきたい地盤のこと

ハザードマップと家の模型の写真

ハザードマップを見ると、防災想定区域や避難場所などが分かる(画像/PIXTA)

家族で話し合い、優先順位を決める

「限られた予算、限られた土地面積の中で家づくりを進める場合、100%理想通りの家を建てることは難しいかもしれません。だからこそ、注文住宅を建てるときは、周辺環境や間取り、費用、設備などさまざまな要素を比較検討し、家族で話し合いながら優先順位を決めることが重要です。何を大切にしたいのかが家族内で明確になっていると、家づくりがスムーズに進み、納得できる住まいづくりになります」

打ち合わせする人の写真

家を建てるにあたり、どんなことを大切にしたいか家族と十分に話し合うとよい(画像/PIXTA)

東京都に家を建てた先輩たちの実例を紹介

ここからは、東京都におしゃれなマイホームを建てた先輩たちの実例を紹介します。ぜひ家づくりの参考にしてください。

【Case1】旗竿地に建てた、収納充実の開放的なマイホーム

転勤先から再び都内へ戻って家づくりを始めたHさん。選んだのは都心の旗竿地でしたが、路地状部分の幅が3mと広く、車2台分の駐車場が確保できる点も魅力的でした。
空間を可能な限り有効活用し、シューズクロークやコートクローク、ウォークインクローゼットなど収納も充実。リビングには吹抜けを採用し、高窓から光が差し込む明るい住まいになりました。

Hさん宅の注文住宅実例

提案の引き出しが豊富な建築会社に出合えたことで理想の家が完成した、と語るHさん(写真/上條泰山)

この実例をもっと詳しく→
都心の旗竿地でも吹抜けの階段で明るく。空間ごとに壁紙を変えた個性的な住まいに

【Case2】周囲を家に囲まれた土地でも、明るい家を建てたい

墨田区に注文住宅を建てたHさん夫妻は、住宅密集地でも明るく広く暮らせる家にしたいと希望しました。採光条件のよい2階にリビングを設け、床や階段の内装は白で統一。空間全体が明るく開放的な雰囲気になりました。
休みの日がそれぞれ異なる夫妻は生活動線にも工夫を。なるべく音を立てずに身支度ができるように寝室とウォークインクローゼット、洗面室が繋がる動線を採用しました。

Hさん宅の注文住宅実例

スーモカウンターで建築会社を紹介された夫妻。「有名ではないけど優良な会社と出合えてよかった」と振り返る(写真/相馬ミナ)

この実例をもっと詳しく→
周りを囲まれた敷地でも明るく広く 開放感いっぱいで家事のしやすい住まいが完成

【Case3】土地と建物のトータルでコストを抑えた家づくりに成功

親との同居を視野に入れ、40歳目前で家づくりをスタートしたNさん。都内で定期的に転勤があるため、どこにでも通勤しやすいように駅に近い土地を探しました。
「玄関が別になった二世帯住宅を、土地と建物合わせて7000万円くらいの予算で建てたい」と希望したNさんは、自社で土地を扱う建築会社と契約し、土地と建物のトータルでコストを抑えた家づくりに成功。書斎コーナーやジェットバスとテレビ付きの浴室など、こだわりの詰まった住まいになりました。

Nさん宅の注文住宅実例

駅からアクセスしやすいため、人を招きやすい。友人を呼んでお酒や料理をふるまうことも(写真/和田真典)

この実例をもっと詳しく→
駅から近い便利な家に友人たちを招いて一緒に料理とお酒を楽しめる暮らし

【Case4】コストを抑えながらライフスタイルに合った住まいを実現

子どもが生まれて住んでいた賃貸住宅が手狭になったKさんは、家を建てようと決心。しかし、予算の多くを土地購入費にあててしまったため、限られた費用の中で建物を建てることに。グレードの高いキッチンを選んだ分、1階の内装材を標準仕様にしてグレードを抑えるなどメリハリをつけてコストをコントロールしました。コストを抑えつつ、希望に合った住まいが完成しました。

Kさん宅の注文住宅実例

共働きのKさん夫妻はリビングや水まわりなど、生活に必要な設備を1フロアにまとめた(写真/和田真典)

この実例をもっと詳しく→
生活スペースを2階にまとめて共働きの暮らしを便利&効率的に

【Case5】三角形の土地で理想の家づくり!東京に建てた家族の集うマイホーム

一般的な四角形の土地とは異なり、三角形の変形地に家を建てた東京都在住のNさん。土地形状から間取りが制限されることを心配していましたが、スーモカウンターで相談した複数の建築会社の中から、変形地での建築実績が豊富な1社に決定しました。敷地形状を逆に活かした斬新な設計プランと、確かな技術力に魅力を感じたそうです。

Nさん宅は新聞紙を利用した断熱材を使っているため、夏は涼しく冬は暖かく快適に過ごせるのだとか。また、桜の床材を用いた寝室など、随所に個性が光ります。家族や友人が集まりやすいリビングや、実用性とデザイン性を兼ね備えたキッチンも魅力的です。

Nさん宅の注文住宅実例

無駄な出費を減らしながらも、三角形の土地に家族の理想を詰め込んだ空間に(写真/山出高士)

この実例をもっと詳しく→
夫が仕事仲間を、息子がバイト友達を招くようになった三角形の家

【Case6】東京の防火地域に家を建てる!人と猫が共に暮らす家

築50年以上の家を建て替えるに当たり、Kさんは防火地域の建築条件や高額な費用に不安がありました。そんなときにインターネットでスーモカウンターを知り、相談を決意。防火地域に強い建築会社を4社紹介され、その中から柔軟な対応と熱心な提案をしてくれた担当者のいる1社に決定しました。

Kさん宅は、防火地域の特性を活かしつつ、人と猫が快適に過ごせる空間づくりをかなえています。耐火仕様の壁で騒音を遮断し、スペースごとに壁紙を替える遊び心を取り入れたデザインが特徴です。

また、猫専用ドアや高い位置に設置されたコンセントなど、広々としたリビングで猫と一緒にのびのびと過ごせる環境を整えました。ピアノ室や家庭菜園など、家族一人一人の趣味や暮らしに配慮した設計が、住み心地の良さを引き立てています。

Kさん宅の注文住宅実例

家族と猫のために防火地域というハードルを見事に乗り越え、快適な空間に建て替えた(写真/片山貴博)

この実例をもっと詳しく→
「防火地域」で築50年以上の家を建て替え。人間も猫ものびのびと暮らせる家

【Case7】世田谷で建てる家!家族みんなが楽しい空間をつくる工夫とは?

海外赴任から帰国後、社宅暮らしをしていたKさん一家は、世田谷の環境を気に入って新居を検討。偶然見つけた土地を購入し注文住宅を希望しましたが、工務店選びに悩んでスーモカウンターを利用しました。担当者が予算や保証内容を含めて丁寧に相談に乗り、リゾートホテルのような開放的な設計に対応できる工務店を5社紹介。最終的に、設計の自由度や相性の良さから1社を選びました。

Kさん宅は、リゾートホテルのような開放感と機能性を兼ね備えた住まいです。広いリビングとつながるバルコニーはアウトドアリビングとしても楽しめ、玄関には自転車が置ける土間収納をつくりました。リビング一角のカウンターやロフトはリモートワークや読書スペースとして活用しています。家族全員が快適に過ごせるよう、細部までこだわった戸建て住宅です。

Kさん宅の注文住宅実例

リゾートホテルのような広い空間が、家族みんなの生活スタイルに見事にフィット(写真/一井りょう)

この実例をもっと詳しく→
理想の住まいが快適なおうち時間にフィット、家族それぞれが楽しい空間

【Case8】中野区で実現!“秘密のドア”でつながる完全分離型二世帯住宅 

Tさんは、家族が増え、賃貸マンションでは手狭になったことをきっかけに妻の実家を建て替えた二世帯住宅を検討し始めました。住宅展示場を回る中で工務店選びに悩み、スーモカウンターに相談。4社を紹介された中で「準防火エリア」の条件をクリアしつつ希望を実現する工務店の提案力が決め手となり、1社に決めました。

Tさん宅の二世帯住宅は、完全分離型でありながら「秘密のドア」で親世帯と子世帯をつなぐ設計が特徴です。バリアフリーの1階親世帯には手すりや断熱性に優れた設備を採用し、子世帯は広い浴室やウッドデッキ、収納たっぷりの白いリビングを実現。窓のデザインや色味など、家族全員の好みを細部に取り入れ、快適で個性あふれる住まいとなりました。

Tさん宅の注文住宅実例

秘密のドアでつながる互いに快適な距離感の二世帯住宅(写真/片山貴博)

この実例をもっと詳しく→
“秘密のドア”で二世帯がつながる、完全分離型の3階建て住宅

東京で家を建てたい! 後悔しない家づくりのために必要なこと

最後に、東京都で家を建てるときに大切にすべきことを佐川さんに伺いました。

「難しい条件の中で家づくりをする場合、どんな担当者に出会うかが重要です。信頼できる建築会社や設計者に出会い、一緒に家づくりを進めてください。また、土地が狭いことや周囲をほかの家に囲まれていることはマイナスに捉えがちですが、難しい条件の土地だからこそ個性のある素敵な家を建てることが可能です。その家で豊かな暮らしが実現できるかは設計力次第ともいえます。まずは一緒に暮らす家族と価値観を擦り合わせ、どんな暮らしを送りたいかを考えてみましょう」

スーモカウンターに相談してみよう

東京都で注文住宅を建てる際には、建築制限や規制、土地選びから補助金の活用まで、さまざまな検討事項があります。特に防火地域での建築や二世帯住宅の設計などは、専門的な知識が必要な場面も多く、プロのアドバイスは欠かせません。

実例で紹介した方々も、スーモカウンターでの相談をきっかけに、それぞれの課題を解決し、理想の住まいを実現しています。スーモカウンターでは、豊富な経験を持つスタッフが、あなたの希望や予算に合わせて、最適な建築プランを提案してくれるでしょう。

無料の個別相談の他、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりの段取りや会社選びのポイントなどを学べる無料の講座も利用できます。ぜひ問い合わせてみてください。

取材・執筆/佐藤愛美(りんかく)、SUUMO編集部
イラスト/村林タカノブ

取材協力/佐川旭さん
佐川旭建築研究所代表。一級建築士、インテリアプランナー。間取り博士とよばれるベテラン建築家で、住宅だけでなく、国内外問わず公共建築や街づくりまで手がける